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海士
「海士〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海士の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
をよく捕捉し、中和して無害とならしめた。 「目標までの距離、五千八百……」 航
海士がレーダーにあらわれた目盛を元気に読みあげたときには、艦は再び正常な航路につ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 ◯きょうは午後から武田光雄君が来宅せらるる旨、昨夜電話があった。元「青葉」航
海士時代に私が乗艦四十五日、そして知り合いになったわけだが、サボ島沖の海戦にて重....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ら靴音の近づきて、たけ高き一少尉入り口に立ちたり。 短小少尉はふり仰ぎ「おお航
海士、どうだい、なんにも見えんか」 「月ばかりだ。点検が済んだら、すべからく寝て....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
るその一刹那をガブリと担い桶に汲み込んで、そのまま波に追われながら後退りして来る
海士の呼吸を見てやっと能静氏の教うる「汐汲み」の呼吸がわかった。同時に「潮衣――....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
モデルに寝たポーズをさせる時|屡次その足の裏を見るが、どうも黒く汚れていたりして
海士の形相を打ち消してくれそうなものに出会わない、その上太い足の指がお互いに開い....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
でいた、私を送りの若い衆がな、玉代だけ損をしやはれ、此方衆の見る前で、この女を、
海士にして慰もうと、月の良い晩でした。 胴の間で着物を脱がして、膚の紐へなわを....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
二十一 さてこの丘の根に引寄せて、一|艘苫を掛けた船があった。
海士も簑きる時雨かな、潮の※は浴びながら、夜露や厭う、ともの優しく、よろけた松に....
「錦木」より 著者:宮本百合子
に棚引いて居ては歌によむほどなつかしいものでもなかったし毎日藻塩木をひろいに来る
海士の女も絵のように脛の白い黒い髪のしなやかな風をしたものは一人もなかった。ここ....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
すぎ、袂しほれて干わぶる思ひは、昔人丸が詠じたる和歌の浦にもしほ垂れつつ世を渡る
海士も、かくやと思ひ遣る。さま/″\思ひつづけて、観念の牀の上に夢を結べば、妻恋....
「俊寛」より 著者:倉田百三
いつも餓鬼のように飢えていなければならない。もう弓を引く力もなくなった。水くぐる
海士のすべも知らない。(ふと岩陰を見る)見つけたぞ! (岩陰に飛びゆき)待て。か....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
日本海の荒波にもまれて育っているから、寒気になれ、沖縄の潜水夫が日本近海で随一の
海士であるのと並んで最も優秀な海女であるという。志摩の海女はそれに次ぐものだそう....
「日記」より 著者:宮本百合子
昨夜からの雨で、風が出たので、波は少しあらい。けれども、まだ想像以下である。
海士についても、そんなに面白いこともなさそうだし……。あさって頃は帰ろう。いやい....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
有った。 「焦慮ってはならぬ。少しの間の辛抱だ」 眠れる竜の鼻の先、珠を取った
海士よりも、危い芸をつづけた竜次郎は、漸く水草を切払って、小虎を自由の身たらしめ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
。我らは松原を通って波打際に出た。其処には夢のような静かな波が寄せていた。塩焼く
海士の煙も遠く真直ぐに立騰っていた。眠るような一帆はいつまでも淡路の島陰にあった....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なく野の春の夕ぐれ 冴えとほる風の上なる夕月夜あたる光に霜ぞ散りくる なびかじな
海士のもしほ火たきそめて煙は空にくゆりわぶとも 帰るさのものとや人のながむらむま....