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海浜
「海浜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海浜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:菊池寛
彼らは苦痛が重なれば重るほど、しょげきってしまい、飯を食うほかは、天気のよい日は
海浜の砂地で、雨の降る日は仕方なくその狭い小屋の中で、ただ溜息と愚痴とのうちに、....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
いうのがある。一昨日の晩宵の口に、その松のうらおもてに、ちらちら灯が見えたのを、
海浜の別荘で花火を焚くのだといい、否、狐火だともいった。その時は濡れたような真黒....
「振動魔」より 著者:海野十三
らすすんで、世話役をひきうけたのだった。その夏は、海岸林間学校が相模湾の、とある
海浜にひらかれていたので、柿丘夫妻は共にその土地に仮泊して、子供たちの面倒をみて....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
で来いという迎いが来た。 お爺さんは新発田から二里半ばかり距たった次弟浜という
海浜にいた。で、僕は海水浴がてら行って見た。お爺さんはもと通りちょん髷を結って、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
化してしまった。 ひとりの僧は無事に山を出て、ここはどこだと人に訊くと、牟平の
海浜であるといわれた。 異石 帝|堯の時に、五つの星が天から落ちた。その....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、推進機に切断されたのであろうが、胴体のみはその三時間後に、同市を去る二マイルの
海浜に漂着した。勿論、その屍体がディグスビイであるということは、着衣名刺その他の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
潘なにがしは漁業に老熟しているので、常にその獲物が多かった。ある日、同業者と共に
海浜へ出て網を入れると、その重いこと平常に倍し、数人の力をあわせて纔かに引き上げ....
「取舵」より 著者:泉鏡花
莨を喫んで謹聴し給え。 去年の夏だ、八田潟ね、あすこから宇木村へ渡ッて、能登の
海浜の勝を探ろうと思って、家を出たのが六月の、あれは十日……だったかな。 渡場....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
へだてて文字ヶ関遠くみゆ。浪の音、水鳥の声。 (平家没落の後、官女は零落してこの
海浜にさまよい、いやしき業して世を送るも哀れなり。呉羽の局、綾の局、いずれも三十....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
って、私ゃ縁起が悪いもの。いいようがありません。それでなければ、治ってから片瀬の
海浜にでも遊びにゆく時の景色なんぞ、月が出ていて、山が見えて、海が凪ぎて、みさご....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
その頃の絵は今日のように濃彩のものがなくて、いずれもうすいものでした。ちょうど春挙さんの
海浜に童子のいる絵の出た頃です。そのころは、それで普通のようにおもっていたのでし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に、シドニーよりははるかに広闊なるを認む。午後車行十マイル、ウィリアムズタウンの
海浜に遊ぶ。ブライトンビーチの対岸に当たる。磯辺を歩する数丁、石と貝とを拾いて帰....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
翌日の教育者大会は実に賑かなものであった。 煤煙を逃れるために、林間学校、
海浜小学校、農園都市小学校の効用と必要が力説せられた。しかし誰一人としてその根本....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
民族の子孫だということを認めておったものでありましょう。山人が山間に遺った様に、
海浜にも海人が遺る。もっとも平地続きの
海浜では、早く世間に同化してしまいますが、....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
、五月くらいがいい。私は五月頃、朝鮮に旅行して、木浦から馬山まで相当長い距離を、
海浜に沿って、明石だい以上に美味いたいを、賞味しつづけて歩いたことがある。また、....