海際[語句情報] » 海際

「海際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

海際の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春は馬車に乗って」より 著者:横光利一
辷《すべ》りながら岩角をよじ登っていた。 海面にはだんだん白帆が増していった。海際《うみぎわ》の白い道が日増しに賑《にぎ》やかになって来た。或る日、彼の所へ、....
河明り」より 著者:岡本かの子
や匂いもある。けれどもそれは浮き離れて、現実の実体観に何の関りもない。ただ、左手海際の林から雪崩れ込む若干の椰子の樹の切れ離れが、急に数少なく七八本になり三本に....
十二支考」より 著者:南方熊楠
い、敵も我も全く人でないのを明日見なさい、従前敵が来るとこの滝の前に上陸せしめず海際で戦うたが、明日は汝らを強く憑《たの》むから上陸させて戦うて我堪えがたくなら....
旅愁」より 著者:横光利一
野は一同の先に降りると、前の山下公園の方を一寸見てから、ホテルへ入らずつかつかと海際の公園の中へ入っていった。矢代も彼の後から追っていった。 「僕は外国へ行く前....
十二支考」より 著者:南方熊楠
し全く世と絶つ事二十年。四世紀の初め穴から這い出て多く僧衆を聚《あつ》め、更に紅海際の山中に隠れ四世紀の中頃|遷化《せんげ》した。その苦行を始めた当座はあたかも....
あられ笹」より 著者:宮本百合子
かにも生気にみちた写生をもとにしているところである。 眺めていると、きよらかな海際の社頭の松風のあいだに、どこやら微かに人声も聴えて来るという思いがする。物蔭....
夜の靴」より 著者:横光利一
も、このような会話を聞いたことは、おそらく一度もなかったことだろう。 私は海際にあるその電車の終点の湯の浜で兵士と一緒に降りた。袋を背負い、人のいない砂丘....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
として、家ならび、三町ばかり、手前どもとおなじ側です、けれども、何だか遠く離れた海際まで、突抜けになったようで、そこに立っている人だかりが――身を投げたのは淵だ....