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浸入
「浸入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浸入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
をもっているのは昆虫類に対する防禦《ぼうぎょ》である。人間も渋紙で物を包んで水の
浸入に備えたり、渋面《じゅうめん》をして他人との交渉を避けたりする。甘味はその反....
「カズイスチカ」より 著者:森鴎外
る。体中に掻《か》きむしったような痍《きず》の絶えない男の子であるから、病原菌の
浸入口はどこだか分からなかった。 花房は興味ある casus《カズス》 だと思....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
何を意味するかと言いますと、此の室の扉を開けたため、室内へ室外の気象状態がサッと
浸入して来た結果、ひきおこされたわけなのです。五十九分頃には三曲線は、再び同じ位....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
が閉塞がれて、淋巴の欝積を来した場合だとか、或は又、一寸した傷口から連鎖状球菌の
浸入に依って、浮腫性の病後に続発的に現れる象皮病――って奴を知ってるかい?……こ....
「旅愁」より 著者:横光利一
激しさである。この精神の波は、僅か十数年の間に、日本の知識階級ほとんど全部の頭に
浸入した。千五百八十二年、信長が殺された天正十年の正月に、九州のキリシタン大名の....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ち上った。 「えッ、第一|船艙が爆破した? ほんとか、それは。大穴があいて海水が
浸入! 防水|扉がしまらないって? 機関部へ水が流れ込んでいる。エンジンはどうし....
「地球要塞」より 著者:海野十三
た。 「ああっ、タンクをやられたな。海水が、やっつけられたタンクの中に、どんどん
浸入しているらしい」 沈没速度は、見る見るうちにはげしくなり、そしてクロクロ島....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
全く近代の日本は沈没した潜航艇の如く、ちょっとした穴からあらゆる西洋の動くものが
浸入して来た、最初、自動車というものが走り出した時、かなりの人でさえも、不愉快を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」
「御用心なさい、そこはもう沼つづきですから、先生」
「なるほど、水がここまで
浸入して来ている、ここを一廻りせんと、あの森へ出られない」
「橋はありませんか」....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の大切な楯で、一たんそれに隙間ができれば、未発達な悪霊どもが、洪水の如くそこから
浸入する虞がある。 問『然らば国家の大祭日、国民的記念日等も有害か?』 祭日の....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
ちつけしなり、とにもかくにも起きあがってその辺を捜りまわるに、何時の間にか海水は
浸入して、余の全身は濡鼠のごとくなりいたり、船底より浸水せしものか、それとも、甲....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
鎖した係長は、慌しく電話室に駈けつけると、立山坑の地上事務所と札幌の本社へ、海水
浸入の悲報を齎した。続いて狭い竪坑の出口で圧死者などの出ないように、最も統制のと....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
なる者が教育の学校を自家の便《べん》に利用するか、または政治の気風が自然に教場に
浸入したるものか、その教員生徒にして政の主義をかれこれと評論して、おのずから好悪....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
験上得たる所により、寒中出入の便を図り、総て構造を精密にして、固く寒風と氷雪との
浸入を防ぎ、浴室を設け、また採暖法を攻究し、通信の道を開き、また少なくとも三名以....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て、床の高さ六、七尺に及ぶ。聞くところによるに、この辺りは毎年河水氾濫し、屋下に
浸入するためなりという。午前九時より鈴木某氏の案内にて、市街および植物園を通覧す....