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消えた
「消えた〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消えたの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって
消えた夢野久作、その火華は、今十巻の全集となって、世に出ようとしている。 久作....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
妙に鮮《あざや》かに覚えている。保吉はこう云う海を前に、いつまでもただ茫然と火の
消えたパイプを啣《くわ》えていた。もっとも彼の考えはお嬢さんの上にばかりあった訣....
「影」より 著者:芥川竜之介
》の主人|陳彩《ちんさい》は、机に背広の両肘《りょうひじ》を凭《もた》せて、火の
消えた葉巻《はまき》を啣《くわ》えたまま、今日も堆《うずたか》い商用書類に、繁忙....
「河童」より 著者:芥川竜之介
》の中の冬薔薇《ふゆそうび》の花を抜き、ゲエルの手へ渡しました。
「しかし火事は
消えたといっても、奥さんはさぞお驚きでしょう。さあ、これを持ってお帰りなさい。」....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
はないか? それを神々は楽しそうに、笑い興じていると見える。」
その声が夜空に
消えた時、桶の上にのった女は、ちらりと一同を見渡しながら、意外なほどしとやかに返....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
下《おろ》した幕の上には、日清戦争《にっしんせんそう》の光景が、いろいろ映ったり
消えたりした。大きな水柱《みずばしら》を揚げながら、「定遠《ていえん》」の沈没す....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
浴している。これは空間を斜《ななめ》に横ぎって、吊《つ》り上げられたようにすっと
消えた。
するとその次には妙なものが空をのたくって来た。よく見ると、燈夜《とう....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
考えようとする努力と、笑いたいのをこらえようとする努力とで、靨《えくぼ》が何度も
消えたり出来たりする。――それが馬琴には、おのずから微笑を誘うような気がした。
....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
さあ――しかし――どうでしょう。」
田代君はしばらく黙っていた。が、やがて煙の
消えたパイプへもう一度火を移すと、
「私はほんとうにあったかとも思うのです。ただ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
野さんの偽善的《ぎぜんてき》態度を覚えている。粟野さんは保吉の教科書を前に、火の
消えたパイプを啣《くわ》えたまま、いつもちょっと沈吟《ちんぎん》した。それからあ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
あろう。)口笛の音は、蒸し暑い夜の空気を破って、むなしく小路《こうじ》の向こうに
消えた。そうしてそのあとには、人の叫ぶ声と、犬のほえる声と、それから太刀《たち》....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
かしい、銀の鎖に似た雲が一列、斜めにたなびいているだけだった。 ソロモンは幻の
消えた後もじっと露台に佇んでいた。幻の意味は明かだった。たといそれはソロモン以外....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ず、妙に胸が閊《つか》えるのを、やっと冷麦《ひやむぎ》を一つ平げて、往来の日足が
消えた時分、まるで人目を忍ぶ落人のように、こっそり暖簾《のれん》から外へ出ました....
「路上」より 著者:芥川竜之介
辰子の姿――ポオト・ワインに暖められた心には、そう云う快い所が、代る代る浮んだり
消えたりした。が、やがて給仕女が一人、紅茶を持って来たのに気がついて、何気《なに....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
して彼等生前の情慾と、性癖の大部分をそのまま保有して居る。彼等の体的欲望は、毫も
消えた訳ではないが、ただその欲望を満足せしむべき機関がない。そこが彼等の大いに煩....