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「消す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

消すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
していた親佐は、その言葉に対して虚偽という利子を払わねばならなかった。一方をもみ消すためには一方にどんと火の手をあげる必要がある。早月母子《さつきおやこ》が東京....
或る女」より 著者:有島武郎
ほぼ一致したらしいのを見ると、いくら女将《おかみ》が巧みに立ち回ってもそれをもみ消す事はできないといい出した。なぜといえばそれは田川夫人が何か葉子を深く意趣に思....
星座」より 著者:有島武郎
怪にさえ思われることだった。で、自分を強《し》いるようにその物足らない気分を打ち消すために、先ほどから明るい障子に羽根を休めている蝿《はえ》に強く視線を集めよう....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
どの混乱に陥ろうとも、それだといって、当然現わるべくして現われ出たこの事実をもみ消すことはもうできないだろう。 かつて河上肇《かわかみはじめ》氏とはじめて対面....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
い》さんであった。 傘《からかさ》をがさりと掛けて、提灯《ちょうちん》をふっと消す、と蝋燭《ろうそく》の匂《におい》が立って、家中《うちじゅう》仏壇の薫《かお....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
思うまもなくその白い大きな帆さえが、降りしきる雪の中に薄れて行って、やがてはかき消すように見えなくなってしまった。 怒濤。白沫。さっさっと降りしきる雪。目をか....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
的進歩は、半面に於て生活資材の充足を来たし、次第に今日のような経済至上の時代が解消するであろう。経済はどこまでも人生の目的ではなく、手段に過ぎない。人類が経済の....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
もの。戸障子に不意に火が附いてそこいらめらめら燃えあがる事がありましても、慌てて消す処は破れ、水を掛けた処は濡れますが、それなりの処は、後で見ますと濡れた様子も....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
「へい、按摩がな。」と何か知らず、女中も読めぬ顔して聞返す。 捻平この話を、打消すように咳して、 「さ、一献参ろう。どうじゃ、こちらへも酌人をちと頼んで、……....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ぐに起きやあがる。花屋の女は早起だ、半日ここに居て耐るもんかい。」 ふッと燈を消すと同時に、再びお兼の手をしっかと取って、 「姉や、大丈夫だ、暗い内に、急いで....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
埋まっている筈だから」 老人はこう言ったと思うと、今度もまた人ごみの中へ、掻き消すように隠れてしまいました。 杜子春はその翌日から、忽ち天下第一の大金持に返....
久米正雄」より 著者:芥川竜之介
く左様なら」と云い合いて、別れ別れに一方は大路へ、一方は小路へ、姿を下駄音と共に消すのも、満更厭な気ばかり起させる訳でもない。 私も嘗て、本郷なる何某と云うレ....
多神教」より 著者:泉鏡花
かいやい。(狼狽て叫ぶ。人々床几とともに、お沢を押落し、取包んで蝋燭の火を一度に消す。) お沢 (崩折れて、倒れ伏す。) 神職 (吻と息して)――千慮の一失。あ....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
狩集めて見張となると、見ている前で、障子がめらめらと、燃える、ひゃあ、と飛ついて消す間に、梁へ炎が絡む、ソレ、と云う内羽目板から火を吐出す、凡そ七日ばかりの間、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
かして、誰も更って喧嘩を買って出るものはなし、交番へ聞えたって、水で消さずに何で消す、おまけに自分の内だといや、それで済むから持ったもんです。 ところが済まな....