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「消化不良〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

消化不良の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
が多少気になり出したのはSさんから帰って来た妻の言葉を聞いた時だった。「やっぱり消化不良ですって。先生も後《のち》ほどいらっしゃいますって」妻は子供を横抱きにし....
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
ら思うと闇の夜に顔も見得ず別れてしまったような気がしてならない。 一つの乳牛に消化不良なのがあって、今井《いまい》獣医の来たのは井戸ばたに夕日の影の薄いころで....
芽生」より 著者:島崎藤村
お菊の蒼ざめた顔を眺めて行った時に、この児は最早駄目だ、と私は思った。 病名は消化不良ということであった。この急激な身体の変化は多分夏蜜柑の中毒であろうと言わ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
六部を受取る。挿絵を見て驚いた。挿絵画家は南洋を見たことがないのだ。 六月××日消化不良と喫煙過多と、金にならぬ過労とで、全く死にそうだ。「退潮《エッブ・タイド....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
ることもあるらしい。 もしかわれわれ人間の胃の中にもこんな歯があってくれたら、消化不良になる心配が減るかとも思われるが、造化はそんなぜいたくを許してくれない。....
生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
人に診《み》て貰って、そうひどくならないうちに癒ってしまった。それから八月の末に消化不良にかかった。ごく軽かったので近くのTという医師に診て貰って居たが、いつま....
反抗」より 著者:豊島与志雄
めなものだった。女は始終飛び歩く。その上、母親や吉川さんと事毎に衝突する。子供は消化不良になって、乳母をつけて病院へはいらせる始末なんだ。吉川さんはどの位苦しん....
」より 著者:豊島与志雄
が余りに多すぎて、蓮は肥料負けしてしまったのである。 「余り御馳走をやったので、消化不良になってしまった、」と私は、友人や叔父や田舎の老人などに答えた。そして鉢....
オランウータン」より 著者:豊島与志雄
時には、殊に屡々お詣りするようになった。結婚後五六年たって出来た一人娘で、それが消化不良になったのである。娘は半年ばかりの後に亡くなった。 お上さんはまるで呆....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ゴ菓子にも才能と技術とを要する。大食はそれをなす者を害する。大食大食漢を罰すだ。消化不良は神の命を受けて胃袋に訓戒をたれる。そしてよろしいか、われわれの各感情は....
怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
た。 そこへ、八重子夫人が下らない話を持ち出してきた。 彼女は元来体が弱く、消化不良に悩んでいた。医者にかかるほどではなく、売薬で間に合せていたが、近来、按....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
由は利かない。それをすれば落第させられる。無拠教程を鵜呑にする結果は知識に対する消化不良と食慾不振である。 教えるためには教えないことが肝心である。もう一杯と....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ければならない破目になった。私はゆうべ徹夜で、自分の失策について考えていたので、消化不良から来た急性の心悸亢進のためにとんだ失礼をしましたと、まことしやかに弁解....
魔都」より 著者:久生十蘭
太郎という今年六つになる一粒種の伜がございます。そいつがこの夏、ふとしたことから消化不良とかいう病気になり、まるっきり湯も水も受けつけねえ。なにしろ、土用の最中....
」より 著者:岡本かの子
もの。 ――まだ、あんな事言ってる。 加奈子はそっと涙ぐんだ。京子はこうなると消化不良になり、食慾をまるで無くしながら、目星だの、まだ時々途方もない架空の妄想....