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「涙痕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

涙痕の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
渡海の夜船の雨泊中に娘の家の庭から拾って来た福慈岳の火山弾を取出してみて、それが涙痕の形をしており、魚の形をしており、また血の色をしているところから福慈岳神とし....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
出た日に書いたもので、一は五百に宛て、一は成善に宛ててある。並に訣別の書で、所々涙痕を印している。石川は弘前を距ること一里半を過ぎぬ駅であるが、使のものは命ぜら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていました。蒼白い面には苦悶の色がありありと現われていました。気のせいか、一筋の涙痕《るいこん》が頬を伝うて流れているもののように見えますけれども、やはりよく眠....
日記・書簡」より 著者:宮本百合子
ろでしょう。どうせ六甲へ行ったらホテルまで登ってしまえばきっと涼しい、大橋房子の涙痕今猶新なり、だろうけれど。――然しこれをもやーさん読むときは、すべて、かった....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るのである。その点、宮本武蔵を語るには非常な明るさがある。他の漂泊歌人の出家や、涙痕の行脚者を想うほどな傷みがない。そして、それらの歌人や俳人の遍歴は、人間を避....