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涜職
「涜職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
涜職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
された。理由は、親爺が、ほかの子供達のお父さんである村会議員を、確証がないのに、
涜職罪として罪人に落そうとたくらんだ。ということからきていた。 だが本当に確証....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
威を振るった筑摩県時代の権中属本山盛徳とはどんな人かなら、その後に下伊那郡の方で
涜職の行為があって終身懲役に処せられ、佐賀の事変後にわずかに特赦の恩典に浴したと....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ず、部下の不正行為を煽動《せんどう》して、ますます松浦屋を窮地に落させた、いわば
涜職《とくしょく》事件の首魁《しゅかい》といってもいい人物なのであった。
この....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
性能を充分に発揮するのはこの点であろうと思われる。たとえば大新聞がいっせいにある
涜職事件を書き立てると全国の新聞がこれに呼応してたちまちにして日本全国がその
涜職....
「暮の街」より 著者:宮本百合子
が掲げられているのであった。 数日前には、前陸軍工廠長官夫人の虚栄心が、良人の
涜職《とくしょく》問題をひきおこす動機となっているという発表によって、そのひとの....
「新しい潮」より 著者:宮本百合子
党、民主党、民自党、びっくりばこのようにそのふたがはねあがったら昭和電工、相つぐ
涜職事件で日本の民主化は、瓦石をかぶった。ゆうべ、花束をもって国会を訪問した全逓....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
網羅していて政府閣僚は最近の新聞に報道されるどっさりの不正利得に関する事件および
涜職事件に関係のない者はいないほどの有様である。現閣僚はスキャンダルにつつまれて....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
とに、血のかたまる野獣性がある。日本の十数万人の旧治安維持法の被害者はもちろん、
涜職、詐欺、窃盗、日本の法律によってとりしらべられたすべての人々で、刑事や検事か....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
において断々固としてその不正を責めたてた。もしことやぶるれば町長の不名誉、助役の
涜職、そうして同志会の潰裂になる。猛太はいま浮沈の境に立っている。 巌はまだ学....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
ある。殺傷の意志がなくても相手の生命を充分に尊重する心掛けのない処から、検察官の
涜職事件など起きる場合が多い。之は単なる不作為とは云えない。で虚偽と誤謬とを区別....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
以て、藤沼警視総監・丸之内署警部井上徳三郎・同署特高係高林定太郎氏等を、傷害罪と
涜職罪で告訴告発したというのだが、殴られもしないのに傷害罪や
涜職罪で告訴するとい....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
があるであろうと思いながら、夕刊第二頁をあけると、そこには、教育界の腐敗、校長の
涜職事件や東京市会と某会社をめぐる疑獄に関する記事とが満載されている。これらの記....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
な騒ぎがもち上がる。だからそんなものを一切なくした方がよいという人がある。これは
涜職者を出すから小学校長を全廃せよ、腐った牛肉で中毒する人があるから牛肉を食うな....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
を慰むべく、世間は余りに平凡な出来事ばかりで持ち切っていた。講和問題、新婦新郎、
涜職事件、死亡広告――私は隧道へはいった一瞬間、汽車の走っている方向が逆になった....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
くべきものはない。翻《ひるがえ》って自分の身を省れば、あの当時、法廷に引出されて
涜職《とくしょく》の罪を宣告せられながら胸中には別に深く愧《はじ》る心も起らなか....