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涼しい
「涼しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
涼しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
い。しんとした夜は、ただ馬蹄《ばてい》の響きにこだまをかえして、二人の上の空には
涼しい天の川がかかっている。
八
羅生門《らしょうもん》の夜....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
美しい北の方《かた》に、瓜二《うりふた》つとでも申しましょうか。眉の迫った、眼の
涼しい、心もち口もとに癖のある、女のような御顔立ちでございましたが、どこかそこに....
「影」より 著者:芥川竜之介
た。
「これは護身用の指環なのよ。」
カッフェの外《そと》のアスファルトには、
涼しい夏の夜風が流れている。陳は人通りに交《まじ》りながら、何度も町の空の星を仰....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。のみならず彼はお蓮を見ると、やはり煙管《きせる》を啣《くわ》えたまま、昔の通り
涼しい眼に、ちらりと微笑を浮べたではないか?
「御覧。東京はもうあの通り、どこを....
「葱」より 著者:芥川竜之介
とか十六とか云うが、見た所はもっと大人《おとな》らしい。何しろ色が白くって、眼が
涼しいから、鼻の先が少し上を向いていても、とにかく一通りの美人である。それが髪を....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
《くわ》えていた。お嬢さんは何も眉毛ばかり美しかった訣《わけ》ではない。目もまた
涼しい黒瞳勝《くろめが》ちだった。心もち上を向いた鼻も、……しかしこんなことを考....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《うしろ》に廻しながら、蒲団の上へ仰向《あおむ》けになった。そうして一瞬間、眼の
涼しい美津の顔をありあり思い浮べた。…………
七
慎太郎《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
も、力瘤《ちからこぶ》の動くような気がします。」
櫛名田姫は心配そうに、そっと
涼しい眼を挙げて、無頓着な彼を見守った。
「こう申す内にもいつ何時《なんどき》、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
警団員の言葉
さあ、自警の部署に就《つ》こう。今夜は星も木木の梢《こずえ》に
涼しい光を放っている。微風もそろそろ通い出したらしい。さあ、この籐《とう》の長椅....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
れるようではないか?」
俊寛様は楽しそうに、晩の御飯をおしまいになると、今度は
涼しい竹縁《ちくえん》の近くへ、円座《わろうだ》を御移しになりながら、
「では空....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
何か義務に近いものを感じ、M子さんの隣に立つことにしました。
「あなたのお部屋は
涼しいでしょう。」
「ええ、……でも手風琴《てふうきん》の音ばかりして。」
「あ....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
薄《けいちょうふはく》な趣がある。これじゃ頼もしくないと思って、雑木《ぞうき》の
涼しい影が落ちている下へ、くたびれた尻《しり》をすえたまま、ややしばらく見ていた....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
い》、河岸《かし》の丸清《まるせい》の檀那だった。
「しばらくだね。」――露柴は
涼しい顔をしながら、猪口を口へ持って行った。その猪口が空《から》になると、客は隙....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
が。」と、さも自分が悪い事でもしたように、※《まぶた》を染めて答えましたが、ふと
涼しい眼を格子戸の外へやると、急に顔の色が変って、「あら。」と、かすかに叫びなが....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
たあとで湯にはいって、飯を食って、それから十時頃まで、調べ物をした。 二十八日
涼しいから、こう云う日に出なければ出る日はないと思って、八時頃うちを飛び出した。....