涼秋[語句情報] » 涼秋

「涼秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

涼秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
落し、四絃を奔る撥音急雨の如く、呀と思う間もなく身は悲壮渦中に捲きこまれた。時は涼秋九|月、処は北海山中の無人境、篝火を焚く霜夜の天幕、幕の外には立聴くアイヌ、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
吹く これを吹いて一曲なほ未だ終らざるに 愁殺す楼蘭征戍《ろうらんせいじゆ》の児涼秋八月|蕭関《せうかん》の道 北風吹き断つ天山の草 崑崙山《こんろんさん》の南....
三国志」より 著者:吉川英治
って、膝をかかえこんでいた。 悠久と水は行く―― 微風は爽やかに鬢をなでる。涼秋の八月だ。 そしてそこは、黄河の畔の――黄土層の低い断り岸であった。 「お....
三国志」より 著者:吉川英治
まず。 と、原書は支那流に描写している。初夏、麦を踏んで意気衝天の征途につき、涼秋八月、満身創痍の大敗に恥を噛んで国へ帰る将士の気持としては、あながち誇張のな....
三国志」より 著者:吉川英治
んで、 「しからば、早速にも」と、兵の手配にかかり、一方城外の玄徳へ使いを派して涼秋八月、まさに観月の好季、清風に駕を乗せて一夜、城楼の仰月台までおいで願いたい....
三国志」より 著者:吉川英治
魏の兵が大勢して仔馬のごとく草原に寝ころんでいた。 一年中で一番季節のよい涼秋八月の夜を楽しんでいるのだった。 そのうちに一人の兵が不意に、あっといった....