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淆
「淆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
の飽和――燃えさかるような緑でないことは明らかであるが、さりとてまた、雑色でも混
淆《こんこう》でもなく、一種病的な色彩と云うのほかになかった。かえって、それは、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》がありました。むかしは日輪寺も氷川神社も一緒でありましたが、明治の初年に神仏混
淆を禁じられたので、氷川神社は服部《はっとり》坂の小日向神社に合祀《ごうし》され....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
木目といい、どう見ても拵え物じゃあねえらしい。こりゃあ確かに本物だ」 神仏|混
淆の時代であるから、この八幡の別当所は大宮寺という寺であった。半七は別当所へ行っ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
という既定の観念に制せられているのを現わしているようだ。この愛の本質と現象との混
淆から、私達の理解は思いもよらぬ迷宮に迷い込むだろう。 愛を傍観していずに、実....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
三頁参照)にも、またカントにも見受けられる。カントは、燃え切った太陽が『渾沌と混
淆する』ことによって、すなわち、太陽から放出された最も揮発性な最も微細な物質が、....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
紀の中葉に出た陸羽(三)をもって茶道の鼻祖とする。かれは、仏、道、儒教が互いに混
淆せんとしている時代に生まれた。その時代の汎神論的象徴主義に促されて、人は特殊の....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
た色刷りの浮世絵や単色の挿画を見て知っていた。いわゆる鹿鳴館時代と名付ける和洋混
淆の文化がその時期にあって、女の容姿にも一つタイプを作った。江戸前のきりりとして....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、それらしい線や塊はどこにも見られなかった。ただただ、雑色と雑形の一種異様な混
淆であって、あるいは、盆景的に矯絶な形をした木の根細工のようでもあり、その――一....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
当の霊媒を見出し難いので、何れも躊躇するのである。かるが故に、霊界通信には玉石混
淆の感がある。かの事実と符合せざる虚偽の通信といえども、必ずしも故意に然るにあら....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
回しているうちには、遠景の観覧車も眼前にある異形なお筆も、結局一色の雑然とした混
淆の中に、溶け込んでしまうのだった。然し、そうして、お筆の動作に惹かれて行ったせ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
うな、想像的タイプの美人ではなかった。どんな画家でも、こんな性格と弱さとが妙に混
淆したところのものを、その内面的から描き出すことは、なかなかむずかしいことであっ....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
ことは出来ないで、神社も神体もみな何処かへ押流されてしまった。時はあたかも神仏混
淆の禁じられた時代で、祭神のはっきりしない神社は破却の運命に遭遇していたので、こ....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
無視しはじめた。いわゆる「悲喜劇」という代物が生れ、批評家はこれを「ジャンルの混
淆」と言つた。悲劇でもなく喜劇でもないという中間的な色合いの戯曲も書かれるように....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
や書出しや立女形や庵などの位地に坐っている主なる俳優が皆それであるから、真偽|混
淆でずいぶん困らせられたものである。 なぜそんな不便な習慣を作ったかというと、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の香いは消してしまうのです。まあそんな悪い事も、ありがたいラマの話も聞いて玉石混
淆の道場を後にして、十二月十五日朝十時に其寺を出立しシカチェの町を横切って行くこ....