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淡水
「淡水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淡水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っぺらに光りすぎる。ただ
淡水と潮水《ちょうすい》とが交錯する平原の大河の水は、冷やかな青に、濁った黄の暖....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
つの快不快は全然|相容《あいい》れぬものではない。寧《むし》ろ鹹水《かんすい》と
淡水とのように、一つに融《と》け合《あ》っているものである。現に精神的教養を受け....
「或る女」より 著者:有島武郎
済ますと葉子は風呂《ふろ》をつかって、思い存分髪を洗った。足《た》しない船の中の
淡水では洗っても洗ってもねちねちと垢《あか》の取り切れなかったものが、さわれば手....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
どの鮠《はえ》(註に曰く、ハエをハヤというは俗称なり。形鮎に似て鮎に非なる白色の
淡水魚なり)がひっかかろうと、あるいは全然なにも釣れなくとも、どっちでもよいので....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
家気質の学生生活が始まった。研究生は上級生まで集めて十人ほどでかなり親密だった。
淡水魚の、養殖とか漁獲とか製品保存とかいう、専門中でも狭い専門に係る研究なので、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
めずらしい宝だ」と、老人は言った。「その名を海井という。普通の航海には飲料として
淡水を積んで行くのが習い、しかもこれがあれば心配はない。海の水を汲んで大きいうつ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
、驟雨の前に鈍った静かさに、海面は煮つめた様にどろりとなって居る。ドゥニパー河の
淡水をしたたか交えたケルソンでも海は海だ。風はなくとも夕されば何処からともなく潮....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
気がよすぎます。しかしあなたのやり口は全く上手なものでした。支那西域の庫魯克格の
淡水湖に限って住んでいる、※々という毒ある魚の小骨の粉末を香に焚いてそれで人間を....
「鯰」より 著者:佐藤垢石
とき、海水と共に外洋へ逃げるのを忘れた鱈は、ついに山の渓流に取り遺されて、北満の
淡水に陸封されることになったのである。顔や、からだが同じでも、鱈はやはり鱈で、北....
「季節の味」より 著者:佐藤垢石
りすぎたためである。即ち、大川や隅田川が東京湾の入江のような姿となってしまって、
淡水が江戸前へ出てこないので立派な鰻が足を止めなくなったのである。 関東地方で....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
度から十二度くらいを往復している。 銚子河口や江戸川から冬中、海で育った小鮎が
淡水に向かうのは三月下旬から四月中旬へかけて、雪解水が出はじめた頃であるが、人の....
「父の俤」より 著者:佐藤垢石
根の河口へ入って、長い旅を上州の前橋近くまで続けてくる若鮎の群れは、のぼる途々、
淡水にすむ小蝦を好んで餌にするのである。だから、その頃まだ加賀国や土佐国で巻く精....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
月のある日、茨城県稲藪郡平田の新利根川へ寒鮒釣りに伴ったが、それでも海釣りよりも
淡水で、糸と浮木の揺曳をながめる方が楽しめるという。 海は、伜の性に合わぬのか....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
体、東京湾の奥深くの江戸前のように浅い海や、利根川とか那珂川とか霞ヶ浦、涸沼など
淡水へ遡り込んだ鰡と、江の島まわりや小田原海岸、南伊豆のような外海で漁れる鰡とは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
でに台湾海に入る。 十日、曇晴。順風、波また高からず。暁天、アモイの沖にあり。
淡水港と往復の帆船を波間に見る。 波間帆影浮、知是台湾近、挙、白雲深処隠。 (波....