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淫売
「淫売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫売の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人家の灯のかげもまばらになる。そのさびしいのを付け目にして、かの夜鷹という一種の
淫売婦があらわれて来る。かれは手ぬぐいに顔をつつんで、あたかも幽霊のように柳の下....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
悶《くもん》を説く自然主義者との心境にどれだけの扞格《かんかく》があるだろうか。
淫売屋《いんばいや》から出てくる自然主義者の顔と女郎屋《じょろうや》から出てくる....
「弓町より」より 著者:石川啄木
しくは年末決算との関係である。)そうして詩人は、けっして牧師が説教の材料を集め、
淫売婦がある種の男を探すがごとくに、何らかの成心をもっていてはいけない。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
《きま》った一人の旦那を守っているのでは無いらしく、大勢の男にかかり合って一種の
淫売《じごく》同様のみだらな生活を営んでいるのだと近所ではもっぱら噂された。その....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
えてくれるものですか。それが出来るくらいなら、あたくしは……あたくしは……なにも
淫売女になんか成り下ることはなかったのです」 女はもう前後を忘れて、激しい嗚咽....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
を孕んで宿にさがった。 僕等がいた片田町の裏の小人町(おこひとまち)というのは
淫売町だった。片田町の一方のはじの、西ヶ輪に近い部分も、やはりそうだった。日曜の....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ります。そうかと思うと、箔のついた芸娼妓に違いないと申すもあるし、豪いのは高等|
淫売の上りだろうなどと、甚しい沙汰をするのがござって、丁と底知れずの池に棲む、ぬ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
男らしい風采や処作から推すと、どうも「マクロ」らしく思われた。マクロというのは、
淫売に食わして貰っている男のことだ。 が、その男等は誰一人として、イタリアやス....
「獄中記」より 著者:大杉栄
人君が、たった一度、紙幣偽造君を怒鳴りつけたことがある。偽造君は長い間満州地方で
淫売屋をしていたのだそうだ。そしてそのたびたび変えた女房というのはみんな内地で身....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
ね?』 『ええ。まあ、少々はですな。』 『と言うと?』 『詰り、八〇パーセントは
淫売婦の処――という意味です。』 『好く判りました。で、その日天祥丸以外に入渠船....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ベリアへ逐いやるというようなのが、かえって赤裸々で面白いように思う。貴婦人よりは
淫売婦の方がいい。 裁判がすめば一とまず東京監獄へ送られる。門をはいるや否や、....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
さ。おれもそう思ってる。 B 君は何日か――あれは去年かな――おれと一緒に行って
淫売屋から逃げ出した時もそんなことを言った。 A そうだったかね。 B 君はきっ....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
一度も顔をみせないという始末。おまけにその茶屋というのが料理は付けたりで、まるで
淫売宿みたいな家ですから、その辛いことお話になりません。ひと思いに死んでしまおう....
「一老人」より 著者:犬田卯
々老爺の生活費として十五円ずつ送ってよこす。 「結構な身分さ、たとい芸者だろうと
淫売だろうと。……こちとらの阿女らみてえにへっちゃぶれた顔していたんじゃ、乞食の....
「活人形」より 著者:泉鏡花
た。しかし今時|青楼で起きていましょうか。「藤沢の女郎屋は遠いから、長谷あたりの
淫売店へ行けば、いつでも起きていらあ、一所にお前も寝て来るが可い。「じゃあ直ぐと....