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淫奔
「淫奔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫奔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
娘ではなかった。船場か島ノ内のいたずら娘であろうか。(船場の上流家庭に育った娘、
淫奔な血、家出して流転し、やがて数奇な運命に操られて次第に淪落して行った挙句、十....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
け落ちをしたなんて、嘘です、嘘に相違ありません。良次郎は御主人の娘をそそのかして
淫奔《いたずら》をするような、そんな不心得な人間じゃありません。ここにいるお山《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら実子が出来た以上、離縁されるのも仕方がない。けれども、ほかの事と違って、そんな
淫奔をしたという濡衣をきせて追い出すというのはあんまりだ。里へ帰って親兄弟や親類....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
気はありません。この上わたしが料簡を換えて外へ縁づくなら、わたしのした事はみんな
淫奔になります。わたしのためわたしのためと心配してくださる両親の意に背いては、誠....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「いいえ。そんな訳じゃございません」と、お鉄はあわてて打ち消した。「決してそんな
淫奔事じゃございません」 半七は少し的がはずれた。色恋以外になぜ死ぬ気になった....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
けますなあ。」 「ははあ、なんぞ必ずしも多く労するを用いん。国民皆|堕落、優柔|
淫奔になっとるから、夜分なあ、暗い中へ足を突込んで見い。あっちからも、こっちから....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
いないのだから、もっと父に打ちとけるように娘にさとしてくれというのだ。この母親は
淫奔な女だという評判で、まったく見るからに
淫奔らしい三十そこそこの女であった。い....
「貞操の幅と限界」より 著者:坂口安吾
から口説いてみても、それだけは応じなかった。この娘は後に誰かと結婚して、結婚後は
淫奔であり、後にはその俳優とも関係があったようだ。 ご婦人がたは娘のころは肉体....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
深い人であり、亭主に死別しなければ誰にもまして貞淑な人であつたに相違なく、およそ
淫奔の性ではない。月経閉鎖期のこの年頃は特殊なものだといふことだが、時代が時代で....
「中庸」より 著者:坂口安吾
をよびません。子供まで蔭で云ってますぜ。たばこ一個で身をまかせかねない淫売以下の
淫奔女です。あれがこの村では先生ですから、小学校は伏魔殿です」 「伏魔殿? 宮殿....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
遠慮もない。 だんだん様子が分ってくると、彼を聟にむかえたも道理。お米は名題の
淫奔娘で、すでに三人も父なし子を生み落して里子にだしており、この界隈からは然るべ....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
た。宿の主人は、宿賃と治療費、それに慰藉料まで請求するという。それからまた、ある
淫奔な娘を堕胎の嫌疑で取調べると、助産婦と結託しているのでなかなか真相がつかめな....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
な。」 「わたくしも実に驚きました。」と、おもよはいよいよ声を陰らせた。「それも
淫奔の罰かも知れません。」 「隣り村の若い者が一緒にいたのだそうだな。それは無事....
「二十一」より 著者:坂口安吾
のに、丁度家には親戚の娘が来ていて、この娘に附き添ってきた女中が渋皮のむけた女で
淫奔名題のしたたか者であった。僕にナガシメを送り、僕が勉強――といっても本の前に....
「多神教」より 著者:泉鏡花
呪詛われた当人に及ぶと言う。聞くな。聞けば聞くほど、何が聞くほどの事もない。――
淫奔、汚濁、しばらくの間も神の御前に汚らわしい。茨の鞭を、しゃつの白脂の臀に当て....