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淫欲
「淫欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
。自由の利く者は誰しも享楽主義になりたがるこの不穏な世に大自由の出来る身を以て、
淫欲までを禁遏したのは恐ろしい信仰心の凝固りであった。そして畏るべき鉄のような厳....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ら、お勢がこのような危い境に身を処《お》きながら、それには少しも心附かず、私欲と
淫欲とが爍《れき》して出来《でか》した、軽く、浮いた、汚《けがら》わしい家内の調....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
リーの灯は華やかだ。すぐに女王マタ・アリを中心に、色彩的な「饒舌《じょうぜつ》と
淫欲《いんよく》と流行《ファッション》の宮廷《コウト》」ができあがって、われこそ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ほとんど病的といってもいい状態であった。放埒《ほうらつ》きわまりなく、しかもその
淫欲のためにはしばしば、害悪な虫けらのように残忍非道なことをしてのけるフョードル....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
というのを実に純潔な表現と思いました。私は私の眸を涼しく保ちたい。憤怒や貪婪や、
淫欲に濁らせたくありません。そしてそのためには祈りの心持ちを失いたくありません。....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
むる無限の力強さがある。円く肉づいた頬は、肉感性の幸福を暗示するどころか、人間の
淫欲を抑滅し尽くそうとするほどに気高い。これらの相好が黒漆の地に浮かんだほのかな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しかし、これらは師直一代の淫事としては十のものなら二、三に過ぎまい。師直の破倫、
淫欲ときては、なかなかこんな程度のものではなかった。彼がいかに乱淫|無頼な男であ....