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深さ
「深さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を予期しておったかは明かでない。ただ手帳には、 「長さ二十四インチ、幅一インチ、
深さ一インチ半のガラス函を取り、この内に電解質の液体を入れ、電気分解をなしつつあ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
は流れない、男は立派《りっぱ》に生きている、――しかしそれでも殺したのです。罪の
深さを考えて見れば、あなた方が悪いか、わたしが悪いか、どちらが悪いかわかりません....
「或る女」より 著者:有島武郎
から藍《あい》に変わって行きつつある初夏の夜の景色をながめた。神秘的な穏やかさと
深さとは脳心にしみ通るようだった。貞世の枕《まくら》もとには若い岡と愛子とがむつ....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
ように跳《は》ね廻《まわ》りました。
その中《うち》にMが膝位《ひざぐらい》の
深さの所まで行って見ました。そうすると紆波《うねり》が来る度《たび》ごとにMは脊....
「星座」より 著者:有島武郎
客間をも居間をも兼ねた八畳は楕円形《だえんけい》の感じを見る人に与えた。女の用心
深さをもってもうストーヴが据えつけてあった。そしてそれが鉛墨《えんぼく》でみごと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
化の重要な部分をそこから継承した諸国民のものであり、その二は高級な理解力と考察の
深さをもった他の民族のそれである。 この第一の部類は、後に古代の哲学者によりま....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
射撃をし易くするためにも、味方の損害を減ずるためにも、隊形がだんだん横広くなって
深さを減ずるようになりましたが、まだ専制時代であったので、横隊戦術から散兵戦術に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ようであるから、掻合わす外套の袖も、妙にばさばさと音がする。外は霜であろう。山の
深さも身に沁みる。夜さえそぞろに更け行くように思われた。 「来ましたよ。」 「二....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、」 河野は、渠がいわゆる正々堂々として説くこと一条。その理想における根ざしの
深さは、この男の口から言っても、例の愚痴のように聞えるのや、その落着かない腰には....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
入れておきますよ。)
と仔細《しさい》ありげなことをいった。
山の高さも谷の
深さも底の知れない一軒家の婦人《おんな》の言葉とは思うたが保つにむずかしい戒《か....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
しとしという尋常らしい跫音が、今はびちゃびちゃと聞えて来た。水なら踵まで浴ろう
深さ、そうして小刻に疾くなったが、水田へ蹈込んで渡るのを畔から聞く位の響き。 ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
峰の、いかにその裾の広く且つ大なるべきかを想うにつけて、全体を鵜呑にしている谷の
深さ、山の高さが推量られる。 辿るほどに、洋傘さした蟻のよう――蝉の声が四辺に....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
六尺余りの大きな頭が、ぬいと、天井に被さりなどした。 「今、起ちなすったのは魯智
深さんだね。」 と主は分らず声を懸ける。 「いや、私は胡坐掻いています、どっし....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
改善を、念頭から離さないだけの熱意を持つことが望ましい。 これだけの仕事の幅と
深さを謙虚な気持で正視している人ならば、おそらく無反省に自分の仕事の分野の拡大を....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
をも用意し得た。 水層はいよいよ高く、四ツ目より太平町に至る十五間幅の道路は、
深さ五尺に近く、濁流奔放舟をもって渡るも困難を感ずるくらいである。高架線の上に立....