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「深まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
りした。が、時間の移るにつれ、だんだん無愛想《ぶあいそう》な看守に対する憎しみの深まるのを感じ出した。(僕はこの侮辱《ぶじょく》を受けた時に急に不快にならないこ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
は、ここはたんなるヒマラヤのような大峻嶺かというに、ここほど、さぐればさぐるほど深まる謎をもつところはない。まず私たちは名称について考えよう。 山でありながら....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
になって、元も子も失くしてしまう。復一は精も根も一度に尽き果て、洞窟のように黒く深まる古池の傍にへたへたと身を崩折らせ、しばらく意識を喪失していた。 しばらく....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れは、「ジキル博士とハイド氏」のように二重人格なのか――と、ますます糸のもつれが深まるなかで、座間は追及の鬼のようになっていた。それとも、ドドに同情を深めすぎた....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
イマイマしいぐらゐ。然し、イマイマしいとか、ウンザリするとか、変に厭世的な気持が深まるやうで、内実はその満足が病みつきとなり、いつとなく思想が変つてゐるものだ。....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
たまま平然と敵の仕掛けを待つがよい。我が備えが不合理であればあるほど、敵の怯えは深まるのだ」かくて余が将兵の動揺はこれを防ぐことができた。 さらに日を過ぎるこ....
握った手」より 著者:坂口安吾
まり、遠慮がなくなるにつれて、このことにだけは再びふれなかった。 綾子への情が深まるにつれて、松夫は彼女の握り返した手にこだわった。むろん先に握った自分の手も....
志賀直哉に文学の問題はない」より 著者:坂口安吾
も拘らず、その思惟の根は、わが周囲を肯定し、それを合理化して安定をもとめる以上に深まることが出来なかった。然し、ともかく漱石には、小さな悲しいものながら、脱出の....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
であった。 然し、破局が来た。それは当然来るべきものであったろう。 私は秋の深まる頃から、アドルムの量が二十錠を必要として、ようやく三時間ほど眠り得る程度に....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
者は、又、作者と智恵くらべをたのしむに当って、従来のトリックを多く知るはど興味が深まるものであり、こうして従来のトリックをマスターしたアゲクには、自分もひとつ推....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のないことをつくづく悲しく思ったのである。その悲しさは日がたつにつれて、ますます深まるばかりである。 伊東に住んでいたころ、付近の山々には猪がすんでおり、町の....
」より 著者:犬田卯
れぬ。村人に立てられた夫と母との噂――それが依然として解けない謎であり、ますます深まる疑惑でさえあった。 「母を叩き出した。」全くそれはおせきの断行した、換言す....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
る物にまして、私が望むものは、あなたさまの美であります。そしてあなたさまの寵遇の深まることのほかに、私の生き甲斐はございません。この事実に思いいたるとき、あなた....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
な深い交誼をむすんだときに、ベートーヴェンの音楽への理解はロランにとっていっそう深まるとともにいっそう意味のあるものとなって来た。マルヴィーダはヴァーグナーとニ....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
うなことは不合理的社会、いいかえれば、資本主義的社会においてはじめて生れ、育ち、深まるものである。即ち個人の所得が均等しない時多く得たるものは多く費し、それの必....