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深傷
「深傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
噴いているのが発見されたのもこの時だった。傷口は直ちに結ばれたけれど、それは彼の
深傷にとって、何の足しにもならなかった。 近所の医師が、看護婦を連れて飛びこん....
「地球盗難」より 著者:海野十三
ているのを見た怪人物だった。彼は生活力の強かったせいか、大隅の介抱の甲斐あって、
深傷にも屈せず元気をもりかえしたのだった。彼こそは、いま博士邸の檻の中に収容され....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
踏込んで源次郎と闘うとの事ですが、如何に源次郎が剣術を知らないでも、殿様があんな
深傷にてお立合なされては、彼が無残の刃の下に果敢なくお成りなされるは知れた事、み....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
方の百姓衆が集って来ましたが、何分にも刃物は利し、斬人は水司又市で、お山は余程の
深傷でございますから、もう虫の息になって居る処へ伯父が参り、 多「あゝ情ない事を....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
起してみると、なんのこと、艇内に残っているように命じてあった佐々記者だった。彼は
深傷に気を失っていたが、ようやく正気にかえって一行に縋りついた。 「猿田飛行士が....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
をのこぎりでひかれるより苦しい、しかしそれは火傷の痛みではない、父をさげすむ心の
深傷である。この世の中に神であり仏であり正義の英雄であると信じていたものが一夜の....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
だけは思い当ることもあったろうと。そればかりではない、彼女自身にも人には言えない
深傷を負わせられていた。彼女は長い骨の折れた旦那の留守をした頃に、伜の娵としばら....
「小公女」より 著者:菊池寛
私のお父様は軍人なのよ。戦争でもあると、お父様は喉のひりつくようなこともあるし、
深傷を負うことだってないとはいえないでしょう。でも、お父様は一言だって、苦しいと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
きられたのが先にできた致命傷、あるいは致命傷にちかい抵抗不能の状態を与えるに足る
深傷であったと分るのですが、ノド笛にかみついた以上は被害者の真ッ正面から抵抗をう....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
けて行つたが、何度も失敗して遂にあきらめてしまつた。 それでも最後のやつは相当
深傷を負わせたらしく、翌朝行つてみたらそこらはたいへんな血であつたそうだ。 十....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
屋敷へは帰れなかった。棍棒で幾所か叩かれたり、倒された時に幾所か打ったり、重傷や
深傷はなかったが、しかし無数に傷を受けて、歩行が自由にできなかったからで、で、あ....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
着けた武士が、一つ橋に近い若年寄遠藤但馬守の辻番所の傍らまで落ちのびた時、ついに
深傷に堪え兼ね、大老の首級を前に置いて腹を切った話は、翌日になってから社務所の役....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
かもめ――ドーヴィルから適当な距離のオンフルール海岸は、ドーヴィル賭博人の敗北の
深傷や遊楽者達の激しい日夜の享楽から受ける炎症を癒しに行く静涼な土地だ。 レス....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。よろずを癒やし給う真白のみ手は、わがかりそめの傷に膏薬は塗らせど、いとせめての
深傷には、なんの薬も賜わねば、その真白のみ手にキスをまいらせつつ、汝紙ぎれ、伝え....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
―。良人は一たん私を静かに胸から離して云いました。 「二人ともこれで実はそうとう
深傷を負ってるのだなあ」 私は生れて以来こんな悲壮な男らしい声を聞いたことがあ....