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深刻
「深刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
いる幾百万の悲惨な人間の声は、当時の自分たちの鼓膜《こまく》を刺戟すべく、余りに
深刻なものであった。だからその時間中、倦怠《けんたい》に倦怠を重ねた自分たちの中....
「外科室」より 著者:泉鏡花
》にして渠が手術は、ハヤその佳境に進みつつ、メス骨に達すと覚しきとき、 「あ」と
深刻なる声を絞りて、二十日以来寝返りさえもえせずと聞きたる、夫人は俄然《がぜん》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
を知った。のみならず、それは明らかにほんとうの芸術家のみが見うる、そして描きうる
深刻な自然の肖像画だった。 「やっつけたな!」咄嗟に私は少年のままの君の面影を心....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
得ない人だ。愛の強い人とは執着の強い人だ。憎みの場合に於いても、かかる人の憎みは
深刻な苦痛によって裏付けられる。従って容易にその憎しみの対象を捨ててはしまわない....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
兵にはなり得ない状況であります。長年文を尊び武を卑しんで来た漢民族の悩みは非常に
深刻なものでありますが、この事変を契機としまして何とか昔の漢民族にかえることを私....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
新農村生活はまた、舊來の家族制度にまつわる、例えば姑と嫁との間におけるごとき、
深刻なる精神問題をも根本的に解決する。そこでは老人の扶養は直接若夫婦の任務ではな....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
真に、縷々この意味の数千言を語ったのが、轟々たる汽車の中に、あたかも雷鳴を凌ぐ、
深刻なる独白のごとく私たちの耳に響いた。 附添の数多の男女は、あるいは怒り、あ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
うだ。」 ラザルスに言葉をかけた人たちの心では、あの三日間の死の常闇が余りにも
深刻であったので、この地上の熱や光りではとても温めることも出来ず、また彼の眼に沁....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
忘れた時に、当然その人は経典病患者になる。 一宗一派の発生につきて説く所も甚だ
深刻である。これを一読して現在の日本を観る時に、われ等は憮然として、長太息を禁じ....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
も見るべきものである。茲において我が地方的玩具の保護や製作を奨励する意味が一層|
深刻になるのである。(大正十四年九月『副業』第二巻第九号)....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
幸福に日を送っているこうした人々を駆って、われと我が命を断たしめるのは、いかなる
深刻な懊悩、いかなる精神的苦痛、傍目には知れぬ失意、劇しい苦悶がその動機となって....
「寡婦」より 著者:秋田滋
のしようなことをやりますよ――」 そして、少年はまた、私が思わずぞッとしたほど
深刻な声で、こうつけ足して云うのでした。 「ご存じでしょうね、お父さんがどんなこ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
なったか、ほとんど解決されておりません。自民党の河野一郎君も、表面の繁栄のかげに
深刻なる社会不安があると申しております。かりに池田内閣で、十年後に日本の経済は二....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
におったが、いつ押しかけて来るか分らないので、何時も用意して対峙すると云った様に
深刻な場面がつづいた。その中に六月五日に所謂暁の手入というのがあって第一次共産党....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
私の青年時代からの大きな疑問であった。 日露戦争時代に日本が対露戦争につき真に
深刻にその本質を突き止めていたなら、あるいは却ってあのように蹶起する勇気を出し得....