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「深奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの道」より 著者:有島武郎
に、立ち現われた明確な現象で、人力をもってしてはとうてい無視することのできない、深奥な残酷な実在である。 七 我らはしばしば悲壮な努力に眼を張って驚嘆する....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
も資本王国の余慶が均霑《きんてん》されて、労働者がクロポトキン、マルクスその他の深奥な生活原理を理解してくるかもしれない。そしてそこから一つの革命が成就されるか....
高山の雪」より 著者:小島烏水
と、そのまま氷漬けになり、自然の墳墓になるということであるが、日本ではそのように深奥なのはない。 日本山岳における万年雪の罅穴《クレッヴァス》の標本としては、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とは異なって、物々しい陰影に富んだ質量的なものをぐいぐい積み重ねてゆき、実証的な深奥のものを闡明しようとした。 「なるほど独創は平凡じゃございませんわね」と独言....
近時政論考」より 著者:陸羯南
、維新以来わずかに二十有三年、文化の進行は大長歩をもってしたりというといえども、深奥の学理は豈に容易に人心に入るべけんや、かつ当初十年はまさに破壊の時代にあり、....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
見つめているのである。われらは彼の蒼白き頬と広き額と結べる唇とに纏綿たる執着と、深奥なる知性と、強烈なる意欲の影の漂えるのを看過してはならない。フィロソファーと....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
の鋭き匕首をもって、骨を削り、肉を裂いて、人性の機微を剔き、十七文字で、大自然の深奥を衝こうという意気込の、先輩ならびに友人に対して済まぬ。憚り多い処から、「俳....
太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
掛けの速度や呼吸も、防禦の法も、時代の文化に相応しているものであるから、角力技の深奥に通じる彼らは、時代の最も高度の技術専門家の一人であり、文化人でもあるのであ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ねえことになるだろうぜ、ジェリー!★」 あらゆる人間が他のあらゆる人間にとって深奥な秘密であり神秘であるように出来ているということは、考えてみると驚くべき事実....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
一つの看板で、饒舌な対話を排し、努めて沈黙の効果を生かすことによつて、人間生活の深奥、機微を伝えようとする演劇を指す。 仮面劇 俳優が仮面によつてそれぞれの役の....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
った」そう云って検事は、皮肉な微笑を法水に投げた。 「然し、それだけでは、決して深奥だとは云われない。第一それでは、風間が吾が子を殺さねばならなかった心理が説明....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
が発狂してるとは思いたくないね。あるいは俺達のような凡人には考えも及ばないような深奥なる境地に到達してしまったのかもしれんぞ。いや、そうかもしれんのだ。 清原 ....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
もとよりあるいは玄妙なる哲学的見地に立って、そこに立命の基礎を作り、またあるいは深奥なる宗教的見地に居って、そこに安心の臍を定めるという世にいわゆる学者、宗教家....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
一度どこかへ旅行がしてみたくてたまりません。君の研究がますます学術的に精密となり深奥となりゆくのを心からお祝いします。では今日はこれでよします。 私からはたび....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
結局、味を覚えることも、美術の鑑賞力を養うのと同じで、その先その先と、ものの深奥を極める努力によって向上するものらしい。 最後に、相手が美食の通であるよう....