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深慮
「深慮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深慮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の盗賊」より 著者:太宰治
、すむのである。私は、あくまで、かれを客人のあつかいにしてやろうと思った。そんな
深慮遠謀もあり、私は、ことさらに猫なで声でどろぼうを招じ入れ、そうして、かれがは....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
共早う召し連れい」 「いかさま、左様でござりましたか。そうのうてはなりませぬ。御
深慮さすがにござります」 まことにさすがは退屈男、趣向も直参らしく豪奢きわまり....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
」 「不服か。黙っているのは不服じゃと申すか」 「いえ不服では厶りませぬ。殿が御
深慮を持ちまして、それ以外に途はないと仰せられますならば、いかような御決断遊ばし....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
細工をはじめているのかも知れぬ。ゆうべの朗読劇にしたって、あれにもポローニヤスの
深慮遠謀があったのさ。そうでも無ければ、あの人は気が狂ったのだ。何か、抜け目の無....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
いうお考えですか。宜しい。一切わたくしが引き受けましょう。」 貞白は実に五百の
深慮遠謀に驚いた。五百の兄栄次郎も、姉|安の夫宗右衛門も、聖堂に学んだ男である。....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、人足たちは後を見送り、馬鹿な人だと言った。智慧の浅瀬を渡る下々の心には、青砥の
深慮が解しかね、一文惜しみの百知らず、と笑いののしったとは、いつの世も小人はあさ....
「惜別」より 著者:太宰治
なければならぬものだとその夜つくづく思った。勝てばいいんだ。津田氏の所謂外交上の
深慮も何も一ぺんに吹飛んでしまうのだ。津田氏だって、憂国の好青年だった事において....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
企て、好奇心の結果と考えるかな」 「いや」と武右衛門は顔を上げた。 「さようなご
深慮とも弁えず、賢しらだって諫言仕り今さら恥ずかしく存じまする」 「解ってくれた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ず、関ヶ原の時、石田三成は美濃半国を与えることを以て招いたけれども行かず――その
深慮を讃《たた》えられた名家だということ。 その家から、この関守を仲立ちとして....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れて、豪気濶達の伊達政宗が、その返答を躊躇するようなことはなかった。 「それは、
深慮大計の御一言、不肖ながら我等とても同様の所存、然らば今日より、細川家と伊達家....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
で」 「つまるところ、ぼくよけだ」 「ぼくよけ……」 「敵を油断させるための遠謀
深慮さ」 「すると、あなたは……」 「いかにも、その通り、おれの見こみでは、下手....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
自分でも分らないような精神の危機を経験していた時であった。柳敬助君に友人としての
深慮があったのかも知れないが、丁度そういう時彼女が私に紹介されたのであった。彼女....
「三国志」より 著者:吉川英治
しい爪牙をあらわした。猛獣はついに飼主の手を咬んだのである。 けれど彼は元来、
深慮遠謀な計画のもとにそれをやり得るような悪人型ではない。猛獣の発作のごとく至っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
玄徳は、うなずいた。幾たびも同感のうなずきを見せた。 「――だが関羽。ここは
深慮すべき秋ではないか。鼠を殺すのに、手近な器物を投げつけるとする。鼠の価値と、....
「三国志」より 著者:吉川英治
ざ疾く、山道へかかれ」と、いって駒をすすめたので、諸人みな、 「さすがは丞相のご
深慮」と、感服しないものはなかった。 こうしている間にも、後から後から、残兵は....