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深遠
「深遠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深遠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
またそれが客観的に最上であるにしたところで、どんな根拠でそうなのか、それは非常に
深遠なことと思います。どうして人間の頭でそんなことがわかるものですか。――これが....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
よってだんだんに作り上げられ、永遠に関する一つの教理となった。この教理は哲学的に
深遠な意義のあるものであり、また現代の自然科学研究の基礎を成す物質並びに勢力不滅....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
かと言うに、これは一つにならなければならないものである。インド人や支那人は、実に
深遠な精神文化を生み出した民族であるが今日、寒帯民族のもつ機械文明を模倣し成長せ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
の建築に用いられている材料は、清貧を思わせるようにできている。しかしこれはすべて
深遠な芸術的思慮の結果であって、細部に至るまで、立派な宮殿寺院を建てるに費やす以....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つと云うのは、犯行を完成させるための補強作用であって、その道程に欠いてはならぬ、
深遠な学理だとみて差支えない」
「冗談じゃない。あまり空論も度が過ぎるぜ」と熊城....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
矢というべきか。 新自由論派は第二期の政論派よりもその民権を説くにおいては一層
深遠なりき。何となれば彼らは、事実の上に論拠を置くことをなさず、西洋十八世紀末の....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
何の確実なる者があろう。「表象無くんば自我意識無し」元良博士のこの一句のなかには
深遠な造蓄が含まれている。認識には当然ある種の情緒と意欲とを伴う。これらの者の統....
「金属人間」より 著者:海野十三
ぞくじん》が論ずるから右のようになるが、しかし非凡《ひぼん》なる頭脳《ずのう》と
深遠《しんえん》なる学識《がくしき》をそなえた針目博士自身としては、新しい金属の....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
に幽麗な叢林を形成してしまったのだ。……まるで、もうここはあの国の幽邃境だ。……
深遠な唐国の空気がそのままに漂っているではないか。……何と云う神秘な静寂だろう。....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
的、主観的、道徳的、宗教的、というような思想の系統である。この側は前者に比すれば
深遠となり、微妙となり、幽奥となりゆくが、どうかすると世間とかけはなれて迂遠とな....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
感の客観化されたものではない。快感を超越した要素がなくてはならぬ。もとより崇高、
深遠、幽邃、壮大、雅麗等の諸性質はそなえておらなければならぬが、また超快感的の気....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れた時分にも快く仏教を教えてくれたのでありましょう。しかるに政府部内にはこの学識
深遠にして道徳堅固なる尊者を嫉む者があって、何か折があればこの尊者を亡き者にした....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
師の陶工一、二を拉致し、必然的に成就を夢のごとく見、かつ画学生の力をもって仁清の
深遠なる絢爛をやすやすと生み出し、多くの好事家、鑑賞家、愛陶家をしてアッと讃歎せ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
つづけだった。ハハハ……」 私は、そうした旅空で旧友相会した時の、なにか人生の
深遠さの偲ばれるようなこころ愉しさを思いやりながら、窓外へ目を移した。雪はなお降....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
まだ捨てがたい材料が少からず遺されてある。もちろん柳田君においても、その後さらに
深遠なる研究を重ねておられることではあろうが、それを拝聴するの機会を有せざる今日....