淵川[語句情報] » 淵川

「淵川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

淵川の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
此の頃はぶち打擲《ちょうちゃく》するので、私は誠に辛いから、いっそ家を駈出して、淵川《ふちかわ》へでも身を沈めて、死のうと思う事が度々《たび/″\》ございますが....
草枕」より 著者:夏目漱石
をばなが上に置く露の、けぬべくもわは、おもほゆるかも と云う歌を咏《よ》んで、淵川《ふちかわ》へ身を投げて果《は》てました」 余はこんな山里へ来て、こんな婆....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのを苦に病んで、皆さんに申し訳がないと思って、どこへか姿を隠したのか、それとも淵川《ふちがわ》へでも身を投げたのかと、親父も心配して居ります」 「じゃあ、仕方....
八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
すが、去年国沢へ縁附きましたところが、夫には他に女子が出来て捨てられましたから、淵川へなりと身を投げて死のうと思いましたが、秦泉寺には一人の母がございまして、私....
小説総論」より 著者:二葉亭四迷
ならんとせんに、末に至って外に仔細もなけれども、只親仁の不承知より手に手を執って淵川に身を沈むるという段に至り、是ではどうやら洒落に命を棄て見る如く聞えて話の条....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
している。才気も縦横で、伝説の長良《ながら》の乙女のように二人の男に思われれば「淵川へ身を投げるなんてつまらないじゃありませんか」という女である。「あなたならど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろ》、草葉の上と思へども、義理にしがらむこの世から、刃《やいば》でも死なれぬ故、淵川へ身を沈めるがせめても言訳《いひわけ》、あとに残せしわが書置、さぞ今頃は女房....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
……それほど疑がわしく覚し召さば一層お暇を下さいまし。きっと生きては居りませぬ。淵川へなりと身を投げて……」 「ああこれこれ何を申す。……何のお前を疑うものか。....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ゝ、これから先きは飢えて死ぬより外に仕様がないと覚悟を極め、何うか知れないように淵川へでも身を投げて死のうと思って、日の暮れるまで彼方此方とうろ/\歩いて、駿河....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
目ないと思って田舎にでも匿れてゝ、喰うや喰わずに痩せ衰えて居はしないか、それとも淵川へ身を投げても、観音さまの御利益で海辺へ流れついて居やアしないかと思って、観....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
をつつんでいる皮膚には、戦場|焦けの色が残っている。髪も、婆ほどは白くない。姓は淵川、名を権六という。 いうまでもなく、本家の息子の又八は、甥にあたるので、こ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
士へ、 「権叔父よ、抜かるまいぞ」 と、意気込みをふくんでいう。 お杉ばばと淵川権六なのである。二人とも、足ごしらえから身支度まで、死出の旅路を覚悟のように....