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混ぜる
「混ぜる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
混ぜるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
は自分も話し客にも談ぜさせることに実に妙を得た人だった。元来私は談話中に駄洒落を
混ぜるのが大嫌いである。私は夏目さんに何十回談話を交換したか知らんが、ただの一度....
「食魔」より 著者:岡本かの子
辛子を入れる。酢を入れる。そうしてから右の手で取上げたフォークの尖で匙の酢を掻き
混ぜる段になると、急に神経質な様子を見せた。狭い匙の中でフォークの尖はミシン機械....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が、すなわちそれだったのです。ところで、点描法の理論を御存じでしょうか。色と色を
混ぜる代りに、原色の細かい線や点を交互に列べて、それをある一定の距離を隔てて眺め....
「わが町」より 著者:織田作之助
涙こぼしこぼし、七味混ぜたはんねんぜ」 いかにもそれらしい表情で、七味唐辛子を
混ぜる恰好をして見せた〆団治の手つきを見るなり、他吉は胸が熱くなり、寒い風が白く....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いて、照天姫《てるてひめ》が判官を尋ぬる事を作り、ヴィナスがサイケに七種の穀物を
混ぜるを、短時間に選別《えりわけ》しむるに倣って、万屋《よろずや》の長が、姫に七....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
》かずである。なぜなら一つの文の中で、八六、三四、五七等の、種々雑多な音律を取り
混ぜるのは、それ自ら散文の形式だからだ。韻文の韻文たる所以《ゆえん》のものは、一....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
もあったようです。「霧の中を往く馬車」というのと「虹の夢」という二つのカクテルを
混ぜるのが彼の独特の技能でした。そして彼は、私の銀箔の訪問服へ聖エミリオンの葡萄....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
れながらの盲人が、盲人の弟子を使っていました。彼等の仕事は、画家のために、絵具を
混ぜることでした。この先生は、指と鼻で、絵具の色が見分けられるというのです。しか....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
時には御註文だけ揃わないことがあって、致し方なく普通品の中から上等のものを選んで
混ぜることにもなりますが、どうか御辛抱を』 という。 それから私はこれまでの....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
液体にする事が大変に進歩して大抵の瓦斯は皆液化されるようになったが、独り空気中に
混ぜるヘリウムのみはどうしても液体にならなかった。しかるに今年三月初めに至って和....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
れは薬でも何でもなくて、ごく上等の小麦粉それ自身なんです。初めっから藁に小麦粉を
混ぜるんですから、藁だけ除けると後に小麦粉が残るのは当り前。小麦粉が出て来なかっ....
「山茶花」より 著者:佐左木俊郎
は黙り続けていたが、長作は煙草入れを腰にさして炉傍を立った。 「爺つあんの、薬さ
混ぜる砂糖、万の野郎が、みんな舐めでしまって無くなったげっとも……」と、おもんは....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
筋はたしかだが青ひといろで陰気だと鼻つまみにされている面々は、これまた適当に赤を
混ぜることだ。そのとき各々の人たちの芸はそれぞれ皆はじめて画竜点睛、ポッカリと江....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
人は、おりんの屍骸の臀部《でんぶ》から少量《すこし》の肉を切り取って明日の捏ねに
混ぜることにした。自分自身の一部を手に下げておりんはほほほと笑った。燐薬の作用《....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
そして油絵具にはいくら油をさしても色は淡《うす》くならない、そういう場合には白を
混ぜるのであるという知識だけを基にして、十枚ばかり色々と工夫して油絵を描いて見た....