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「混合物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

混合物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
分れていなかった昔にはただ原始エーテルがあったのみで、それはあたかも卵子のような混合物であった。清澄なものは軽いために浮び上がって天となった。重いもの濁ったもの....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
った。この習慣は現今チベット人および蒙古種族の間に行なわれていて、彼らはこれらの混合物で一種の妙なシロップを造るのである。ロシア人がレモンの切れを用いるのは――....
琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
相が判ったのさ。検事さん」彼は検事の方を向いて、言葉をついだ。「塩酸加里と砂糖の混合物には一滴の硫酸、そうです、たった一滴の硫酸を注げば、凄じい勢で発火するので....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
間の美しさである。それは空虚な空間ではなくて、人間にいちばんだいじな酸素と窒素の混合物で充填され、そうしてあらゆる膠質的浮游物で象嵌された空間の美しさである。肺....
ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
ことは、あるいはただ記述することでさえも、むずかしいのである。それは雑多な異質の混合物だった。――憎悪というほどではない短気な怨恨もあり、尊敬の念もいくらかある....
辞典」より 著者:戸坂潤
ければただの演繹論理でもない。寧ろそうしたものと、総合論理・帰納論理との、複合・混合物だったと見ていい。之を純然たる分析的演繹の論理にまで仕上げたのは、実はスコ....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と月光像との間に、何か仕切を置くのを忘れたからだよ。線香花火は硝石と鉄粉と松煙の混合物だからね。そして、鉄粉は松葉火になって空気中に出ると、酸化して角が丸くなっ....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
分量をはかって入れ、それに一包みの散薬を加えた。最初は赤味を帯びた色であったこの混合物は、結晶塩が溶けるにつれて、色が鮮やかになり、ぶつぶつと音を立てて泡立ち、....
工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
足らず、この点について合理的な模型を作る方法を考案し、その一例としてパラフィンの混合物で二階建日本家屋の模型を作りその振動を験測したりした。これから進んで実際の....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
かかった。厩の二階の物置を二つに仕切って一方を暗室とし、壁と天井を、煤とビールの混合物で塗った。この室の両窓にヘリオスタートを取付け、ここへ分光器その他の光学器....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
彼方から演技者の一部分が呼びよせられたほどの地上に最大の構成をもった芝居と奇術の混合物でもあったのです」 こう説明を終えた新十郎は驚くべき早さで立ち去る構えに....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
稲野谷兵助という、仮空の人物を作り上げたことだ。ねえ女将、あのエーテルと鯨蝋との混合物は、時によると舞台や高座でも使われる。それが沸騰する時は、しだいに輪廓の外....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
えて、いろいろ試験を施したが、結果は不成功に終り、ただ知り得たのは、鋼鉄は僅少の混合物によって、その性質に多大の変化を生ずるということに過ぎなかった。 この外....
決闘場」より 著者:岡本かの子
のも同然であった。もう以前のアイリスは消失してしまって、今ではワルトンに包まれた混合物のようなアイリスが居た。ジョーンは正真正銘のアイリスが見たかった。不純物を....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ではなかった。――それは男性的と女性的、活発としぶとさ、堅忍不抜と優柔不断などの混合物であって――問題がなんであろうと、はっきりした決定を与えることは、彼女の奥....