混然[語句情報] » 混然

「混然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

混然の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自分だけの世界」より 著者:辻潤
ば、無理にその仲間に這入りこむ要はないのである。それを統治するなん等の権力もない混然たる個人の結合なのである。それがうまくゆくかどうかは別として自分などには一番....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ていまエプソム町近郊の競馬場へ馳せ参じたわけだが、BEHOLD! 遠く望めば、混然湧然|轟然たる色調の撒布に、蚊ばしらみたいなひとつの大きな陽炎が揺れ立って、....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
ります。その室は、毎朝氏の掃除にはなりますが、書籍や、作りかけの仕事などが、雑然混然として居て一寸足の踏み所も無い様です。一隅には、座蒲団を何枚も折りかさねた側....
華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
、南原杉子は、そういった阿難を傍観しているに違いない。仁科六郎は阿難と南原杉子を混然一体として考えている。 「阿難、僕が若し妻と別れて、阿難と結婚しようとしたら....
丹下左膳」より 著者:林不忘
た。 お江戸の空は紺碧《こんぺき》だった。 一日の生活にとりかかる巷の雑音が混然と揺れ昇って、河岸帰りの車が威勢よく飛んでゆく。一月寺の普化僧《ふけそう》が....
魔都」より 著者:久生十蘭
、砥道の谷底をトラックとタクシーが紛然と矢の如く行き交う。……あらゆる物音は雑然混然と入り混り溶け合い、大空をどよもして大都会の小夜楽《セレナーデ》を奏するので....
余齢初旅」より 著者:上村松園
動車、人力車などが通っているし、両側は人、人、人でいっぱいにつまっている。それが混然雑然としてとてもにぎやかであった。 ちょうど三度ほどそうして市中を自動車で....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ム・ド・ラ・ギャルド》の鐘の音《ね》まで入り交じり、溶け合って、轟然《ごうぜん》混然たる港の|朝の音楽《オウバアド》を奏している。 キャヌビエールの船着場から....