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「混線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

混線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
饒舌《しゃべ》って行く間を縫って、受話器の底へ流れこむのです。始めの内は新蔵も、混線だろうくらいな量見で、別に気にもしませんでしたから、「それから、それから。」....
新生」より 著者:島崎藤村
大きな扉の内と外とで別離《わかれ》を告げるような声であった。 「え――え――え」混線した電話の雑音が途切れた後で、復た節子の声が彼の耳に伝わって来た。 「台湾の....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
もに、からだまでも徴発されて行った農民がずいぶんあったのだ。 こうしたまったく混線の内乱の中で、いわゆる革命のために、ロシアの農民は何百万とかの生命を失ったと....
社会時評」より 著者:戸坂潤
省も、この点をもう少しハッキリさせる必要があるだろう。 三、血液と制度との混線 東本願寺では去る十四日、第二十五世法嗣光養麿君の得度式を行った、がそれは....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
の形式である。 離村防止のこの一般的な道徳的説教は併し、元来が身売防止の運動と混線していたのであり、そしてお説教はいつも実際上の必要の前には殆んど全く無力なの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
まさに男性二人だけの言葉で、それは、単語もはっきりと聞取れるが、暫くすると、また混線して、その間へ、何とも聞取れない女声《じょせい》の呂律《ろれつ》が入り来《き....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
から食事も進まないの、胸が塞がって飲むものも飲まれないのというような、物と心との混線作用はないらしい。 だが、この際は、金椎も食うだけ食わせることをしないのが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仰山に右の掌で額を叩いてから、 「将来のために言って聞かせてあげることが、現在に混線しちゃったんだ、これというもみんなためを思って言うことだから、悪くとらずに聞....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ帰ったという筋道だけは分る。 右の話のうちにも、地名だの、方角だの、ずいぶん混線したり、聞き馴れないところが多いが、それでも地理の素養の深い駒井には、よく要....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
っている。 ここの子供は幸福だ。どの校庭でも幾組も野球にバレーにハンドボールと混線もせずに遊んでいる。力いっぱいバットをふってもガラスをわる心配もない。タマ拾....
生前身後の事」より 著者:中里介山
いに尊敬もし認識もしなければならぬという様の事を論じたのであったと思う。 少々混線するが少し前に戻って、余輩の生れた明治十八年という年に、ビクトルユーゴーが死....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
。そのときに私どもの心の中に、われわれが正しいか正しくないか、善悪の問題が非常に混線して、弱いものがいじめられるのを見ておられないということが強ければ強いだけし....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
振幅が常態以上に大きいことを必要とする立場の人たちは、職業上の立場と個人の立場が混線して、個人の狂気が判然しない場合などがある。 たとえばヒットラーはその破壊....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
へ掛けてるんですよ、こちらは……。えっ? 莫迦野郎? 何っ? 何が莫迦野郎だ?」混線していた。 「ああ、俺はいつも何々しようとした途端、必ず際どい所で故障がはい....
日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
学とも称されるようになった文学であり、そして同時に、従来のブルジョア文学の末流と混線しなければならなくなった文学なのである。 この混線を截断し、自我の探究とい....