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「清か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
ろうという現金な気持からでもあった。 この現金な気持があったから、京吉は陽子が清かったことを知ると、さすがに自分のしようとしていた行為の醜さを、恥じたのだ。 ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
めな生活がこの不健康な肉体を通じて痛切なる悔恨をともなって来た。弱かったがしかし清かった一二年前の生活が眼の前に浮かんで通った。 「絶望と悲哀と寂※とに堪へ得ら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、昔、貴き聖《ひじり》が、この嶺《みね》の頂《いただき》に立って、東に落つる水も清かれ、西に落つる水も清かれと祈って、菩薩の像を埋《う》めて置いた、それから東に....
僕の昔」より 著者:夏目漱石
も事実はあんな老婢がいて、僕を非常にかわいがってくれた。『坊っちゃん』の中に、お清からもらった財布《さいふ》を便所へ落とすと、お清がわざわざそれを拾ってもってき....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
雑と低吝とのいやしくもこれに入り込むことを拒み、その想いを偉いならしめ、その夢を清からしめよ。夢見ることをやめたとき、その青春は終わるのである。 (一九三六・一....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
強い、老母すら時々この女中の言うことを聞かなければならぬ事もあった。我儘過るとお清から苦情の出る場合もあったが、何しろお徳はお家大事と一生懸命なのだから結極はお....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《のが》れて、御自分だけを清くせんがためではござりませぬ……源遠からざれば、流れ清からざるの道理でございます。もし、あなた方が、どうでも人の世のまん中に立ち出で....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
いうような句がある。この一首は、剣太刀をば愈ますます励み研げ、既に神の御代から、清かに武勲の名望を背負い立って来たその家柄であるぞ、というので、「清けく」は清く....
反抗」より 著者:豊島与志雄
自分自身が、驚いて顧みられた。彼は長い間街路をさまよい歩きながら、しまいには、お清から遠ざかろうと思ったり、お清にぶつかってみようと思ったりした。 然しそれは....
白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
へ出てゆきました。 庭の腰掛に、汪紹生は腕を組んで頭を垂れていました。彼は荘一清からの至急な迎えを受けて、図書館からやって来たのでした。柳秋雲の姿を見ると、彼....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
郷土の清婉なる風景を護るわが国民である。それが、日本の伝統だ。わが伝統は、国民を清からしめた。我々は、無言の間に、天命かけてわが美しき風景を護っているのである。....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
こにいるは誰じゃ。 雨月 (しずかに。)わたくしでござりまする。 玉虫 むむ、宗清か。遠慮はない、これへ来や。 雨月 いや、まいりますまい。わたくしは御仏に仕え....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
終に見合わせた、昨夜は満天に星が輝いていたのに、秋の空は頼みがたいものだと思う。清かりし湯川の水も濁り、早川は褐色に変って、水嵩も常に幾倍して凄い勢いであった。....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ずくより来るぞと問えば、荒川にて作るなりという。隅田川の水としいえば黄ばみ濁りて清からぬものと思い馴れたれど、水上にて水晶のようなる氷をさえ出すかと今更の如くに....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
前書」四章の三を読ましめよ、次の言葉に出あうだろう、「それ神のみ旨は、なんじらの清からんことにして、すなわち淫行をつつしみ、云々」そればかりではない。「私通し密....