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清しい
「清しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を叩いていたが、 「御免なさい。」 とようよう云う、控え目だったけれども、朗に
清しい、框の障子越にずッと透る。 中からよく似た、やや落着いた静な声で、 「は....
「海異記」より 著者:泉鏡花
が、さも横柄に見えたのである。 また泣き出したを揺りながら、女房は手持無沙汰に
清しい目を※ったが、 「何ですね、何が欲いんですね。」 となお物貰いという念は....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。 美女 潮風、磯の香、海松、海藻の、咽喉を刺す硫黄の臭気と思いのほか、ほんに、
清しい、佳い薫、(柔に袖を動かす)……ですが、時々、悚然する、腥い香のしますのは....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
」 と撫肩の優しい上へ、笠の紐|弛く、紅のような唇をつけて、横顔で振向いたが、
清しい目許に笑を浮べて、 「どうして貴方はそんなにまあ唐天竺とやらへでもお出で遊....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
りと、薄赤い、其屋の板障子をすらりと開けた。 「ご免なさいよ。」 頬被りの中の
清しい目が、釜から吹出す湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、....
「女客」より 著者:泉鏡花
所から帰って来ても、何だか自分の内のようじゃないんですよ。」 「あら、」 とて
清しい目を※り、鉄瓶の下に両手を揃えて、真直に当りながら、 「そんな事を言うもん....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、驚きに、浅葱が細く、揺るるがごとく、父の家主の袖を覗いて、※った瞳は玲瓏として
清しい。 家主は、かたいやつを、誇らしげにスポンと被って、腕組をずばりとしなが....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
でございますか、別に怖いとも思いませんと、こう遣って。」 と枕に顔を仰向けて、
清しい目を※って熟と瞳を据えました。小宮山は悚然とする。 「そのお神さんが、不思....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
かしこれは、前に黄な声を発して雀海中に入ってを云々したごとき厭味なものではない。
清しい活溌なものであった。 婦人は屹と其方を見る、トまた悪怯れず呼懸けて、 「....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
当人|寝惚けている癖に、他の目色の穿鑿どころか。けれども、その……ぱっちりと瞳の
清しい、色の白い、髪の濃い、で、何に結ったか前髪のふっくりとある、俯向き加減の、....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
に、お目にかかりたくて参りました。」 「米は私でございます。」 と顔を上げて、
清しい目で熟と視ました。 私の額は汗ばんだ。――あのいつか額に置かれた、手の影....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
になる――可い加減になさい、馬鹿になすって、」 と極めつける。但し笑いながら。
清しい目で屹と見て、 「むずかしいのね? どう言えばこうおっしゃって、貴下、弱い....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
うですから、気をはっきりと、欄干を伝うところを、 (目々、覚めてどすか。) と
清しい目で、ちょっと見迎えて、莞爾したではありませんか。私は冷りとしました。第一....
「菜の花物語」より 著者:児玉花外
向くと家が在り、若い女が切りと機を織っている。雪を欺むく白い顔は前を見詰たまま、
清しい眼さえも黒く動かさない、ただ、筬ばかりが紺飛白木綿の上を箭の如に、シュッシ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
り所存を申し上げて見れば、よいよいと仰せられたただの一言に雲霧はもうなくなって、
清しい風が大空を吹いて居るような心持になったわ、昨日はまた上人様からわざわざのお....