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「清らか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清らかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う》の御歌をそのままな、紅葉《もみじ》ばかりの御庭と申し、その御庭を縫っている、清らかな一すじの流れと申し、あるいはまたその流れへ御放しになった、何羽とも知れな....
河童」より 著者:芥川竜之介
を見まわしました。そこには僕の気のせいか、質素な椅子《いす》やテエブルの間に何か清らかな幸福が漂っているように見えるのです。 「あなたはどうもほかの河童よりもし....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
ん》の穽《あな》に捕えんとして、しかもついに捕え得ざりしを見よ。われ夫人の気高く清らかなるを愛《め》ずれば、愈《いよいよ》夫人を汚《けが》さまく思い、反《かえ》....
」より 著者:芥川竜之介
その犬小屋の前には米粒《こめつぶ》ほどの小ささに、白い犬が一匹坐っているのです。清らかに、ほっそりと。――白はただ恍惚《こうこつ》とこの犬の姿に見入りました。 ....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
は、庁堂《ちょうどう》へ案内されました。ここも紫檀《したん》の椅子《いす》机が、清らかに並べてありながら、冷たい埃《ほこり》の臭《にお》いがする、――やはり荒廃....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ると迷惑どころかい、目鼻立ちのきりりとした、細面の、瞼に窶は見えるけれども、目の清らかな、眉の濃い、二十八九の人品な兄哥である。 「へへへへ、いや、どうもな、」....
女客」より 著者:泉鏡花
抱きに、しばらくして品のいい、母親の形で座に返った。燈火の陰に胸の色、雪のごとく清らかに、譲はちゅうちゅうと乳を吸って、片手で縋って泣いじゃくる。 あるじは、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
着して、藍地糸錦の丸帯。鶸の嘴がちょっと触っても微な菫色の痣になりそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に雁金を銀で刺繍し....
縁結び」より 著者:泉鏡花
した。それが耳に入って気になったかね、そうかい。」 「いいえ、」とまた俯向いて、清らかな手巾を、袂の中で引靡けて、 「気にいたしますの、なんのって、そういうわけ....
」より 著者:池谷信三郎
意を嗤うシイカの蝙蝠のような笑声を聞いた。かと思うと、何か悶々として彼に訴える、清らかな哀音を耳にした。 蝋涙が彼の心の影を浮べて、この部屋のたった一つの装飾....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
妻と逢曳を、と心付いて、首を低れると、再び真暗になった時、更に、しかし、身はまだ清らかであると、気を取直して改めて、青く燃ゆる服の飾を嬉しそうに見た。そして立花....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
靡いて、色の白いが薄化粧。水色縮緬の蹴出の褄、はらはら蓮の莟を捌いて、素足ながら清らかに、草履ばきの埃も立たず、急いで迎えた少年に、ばッたりと藪の前。 「叔母さ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
中で、何と申しても一|番立ち優っているのは矢張りこの竜宮界じゃ。すべてがいかにも清らかで、優雅で、そして華美な中に何ともいえぬ神々しいところがある。とても俺の口....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデー」 またチンダルの書いたファラデー伝には、「これにも優りて、雄々しく、清らかなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドのその如く」 と、美....
活人形」より 著者:泉鏡花
ばかりの黒髪は、ふさふさと肩に溢れて、柳の腰に纏いたり。膚の色真白く、透通るほど清らかにて、顔は太く蒼みて見ゆ。ただ屹としたる品格ありて眼の光凄まじく、頬の肉落....