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清廉
「清廉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清廉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
薄情なものがあり、洗練された教養ある如才なさの中に、しかも、ああ! 世間で上品な
清廉の士とみなされているような人間の内部にすら、いかに多くの凶悪な野性が潜んでい....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
早くも後任市長の候補者が話題に上っているが、有力者の一部では見識手腕|倶に優れた
清廉の士現市議中の大立物動坂三郎氏を推さんとする説が有力である。―― 僕はこの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
たのです」 そのロングウェル氏は、ニューヨーク暗黒街にとれば仇敵のような人物。
清廉、誘惑をしりぞけ圧迫を物ともせず、ギャング掃蕩のためには身命さえも賭そうとい....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
も禁固を喰う。償勤兵とならなければならない。それが内地に於ける軍人である。軍人は
清廉潔白でなければならない。ところが、その約束が、ここでは解放されているのだ。兵....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
故只圓翁の遺徳を基礎としたもので、翁の遺訓は今以て他流の人士の間にも伝わり、翁の
清廉無慾と翁の堂々たる芸風とは今も尚流内の人口に膾炙している。 然るに博多順正....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
決意を固めてしまった。 けれども青砥は、決して卑しい守銭奴ではない。質素倹約、
清廉潔白の官吏である。一汁一菜、しかも、日に三度などは食べない。一日に一度たべる....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
得を、日の出から日の入りまでに綺麗さっぱりにしてしまって、寧ろ宵越しの銭を残さぬ
清廉、上方の人に言わしたら「阿呆やなァ」と嗤うかも知れぬが、この心持ち恐らくは江....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
歯痒ゆく思ったりすることがたび/\あった。 彼は二十歳前後には、人間は正直で、
清廉であらねばならないと思っていた。が今では、そんなものは、何も役に立たないこと....
「中庸」より 著者:坂口安吾
雑務については一切大佐に御迷惑はおかけしないという約束ではないか。そもそも大佐は
清廉潔白、身を持すること厳格、軍人中にあっても亀鑑と申すべき謹直無比の将軍である....
「端午節」より 著者:井上紅梅
大ものが残っていた。それは官俸の方がすこぶる停滞していたからで、こうなるといくら
清廉潔白の官吏でも、月給を催促しないではいられない。ましてや教員を兼ねた方玄綽は....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
多分に洩れず没分暁漢の悪童で馬琴を撲ったり叩いたりした。そうでなくてさえ豪毅一徹
清廉潔白の馬琴である。憤然として袖を払い、 木がらしに思い立ちけり神の旅 こう....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
、某も平素より尊敬いたし居ります。ご子息の貴殿のお噂も、兼々承わって居りました。
清廉潔白でおわすとのこと、これまた敬意を払っていました。……ただ今立ち聞きいたし....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
れば、父の如くに厳しくもあり、洵に緩急よろしきを得、財を惜しまずよく散じ、極めて
清廉でございました。然るに」と言うと緋鯉の藤兵衛、またも一膝進めたが、 「一方水....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
彼は高等法院長として、
清廉な法官として世を去った。非の打ちどころのないその生涯は、フランス中の裁判所の....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。
清廉潔白百年|稀に見る君子人として世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦....