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清書
「清書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
始めて金盥を覗込んで俯向いた時、人知れず目をしばたたいたが、さあらぬ体で、 「御
清書ですかい。」 「いいえ、あの、絵なの。あの、上手な。明後日学校へ持って行くの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て弟子たちにひどく恐れられていた。 手習い子は手ならい草紙で習って、ときどきに
清書草紙に書くのであるが、そのなかでも正月の書初めと、七月の七夕祭りとが、一年に....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
そうかえ。それはよかったね。お行儀よくしていただいたかえ。 松若 あゝ。わしの
清書が松だったのだよ。 お兼 そうかえ。それはえらいね。草紙をお見せ。この前の清....
「画学校時代」より 著者:上村松園
、それぞれの先生の許へ差し出します。それを先生に直していただいて、さらにもう一度
清書し、二十五枚全部試験に通りますと、六級から五級に進むのです。 五級になると....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
いて帰った。これも母の思い出話である。 序に書き加えておくが、私が以上の本文の
清書を了えたのは、昭和十六年十二月十日のことであるが、私はそれから十日目の十二月....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
合せ申したい事があって罷出る処でござったよ。 時に、後月のその舞台は、ちょっと
清書にいたし、方々の御内見に入れますので、世間晴れての勤めは、更めて来霜月の初旬....
「久坂葉子の誕生と死亡」より 著者:久坂葉子
である。私は、そんな気のきいた題はつけていなかったようだ)はい、と云って帰宅し、
清書して、東京へおくり、あかんと云われてかえされたのが二月末。それをそのまま、V....
「郊外」より 著者:国木田独歩
ったと不平を並べるところだが、時田先生、全く無頓着である。机の前に端座して生徒の
清書を点検したり、作文を観たり、出席簿を調べたり、倦ぶれた時はごろりとそこに寝こ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
存されてある。 ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を取り、後で立派に
清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし、主人のリボーに....
「実感」より 著者:織田作之助
た。 父親は偏窟の一言居士で家業の宿屋より新聞投書にのぼせ、字の巧い文子はその
清書をしながら、父親の文章が縁談の相手を片っ端からこき下す時と同じ調子だと、情な....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
表紙の画の撫子に取添えたる
清書草紙、まだ手習児の作なりとて拙きをすてたまわずこのぬしとある処に、御名を記さ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
る雛だけ助けたほど我ままをさした娘に、いい遺した遺言とかで、不思議に手習をする、
清書草紙に、人知れず、医学士(山の井光起)の名を書いて、惚れ抜いていたんだそうで....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
というのをそのうちにあなたのほうに向けてお送りします。私のは、遅筆で、汚なくて、
清書しなくてはだめですから、また、いつか見て下さい。すぐ原稿用紙に、きれいに得か....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
よ」と、将校はいうと、笑って紙入れをまたポケットにしまった。「学校の生徒に教える
清書の字ではありません。長いことかかって読まなければなりません。あなたも最後には....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
るのは通具の四月十九日と定家の四月二十日とである。 選歌はほごして一部の文書に
清書し直され、歌の頭には一々選んだ人の名が明記された。序文でも明らかなように、『....