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「渇き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渇きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
たたか酒の香を送ってよこすものもあった。彼れは酒の香をかぐと急にえぐられるような渇きと食欲とを覚えて、すれ違った男を見送ったりしたが、いまいましさに吐き捨てよう....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
人々は皆このナイル河畔の古き国土をたずね、その知恵の泉を汲んで彼らの知識に対する渇きをいやそうとした。そうして古代における科学の最盛期というべきものはアレキサン....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
とき自ら口移しに夫人にレモナーデ水を与えました。何もしらぬ夫人は、灼けつくような渇きを医すため、夢中になってその甘酸っぱい水をゴクリと咽喉にとおしたとき、青酸加....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、世間普通と変ることはなかった。この僧は気を吸うことを習っていたので、別に飢えも渇きも感じなかったが、連れの僧はひどく飢えて来た。 そこである食い物店へ行って....
薬草取」より 著者:泉鏡花
います。そしてこの山路は何処にも清水なぞ流れてはおりません。その代暑い時、咽喉が渇きますと、蒼い小な花の咲きます、日蔭の草を取って、葉の汁を噛みますと、それはも....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
船長もどうしてよいやらすくなからず困った。彼等は、幽霊船の出てくる前には、飢えと渇きとで、病人のようにへたばっていたのに、いまは戦士のように元気にふるい立ってい....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
れて身体一面に血が流れた時は、……私、その、たらたら流れて胸から乳から伝うのが、渇きの留るほど嬉しかった。莞爾莞爾したわ。何とも言えない可い心持だったんですよ。....
桃のある風景」より 著者:岡本かの子
が、低気圧の渦のように、自分の喉頭のうしろの辺に鬱して来て、しっきりなしに自分に渇きを覚えさせた。私は娘で、東京|端れの親の家の茶室作りの中二階に住んでいた頃で....
星女郎」より 著者:泉鏡花
せては、今時誰も通らぬ山路、半日はよし、一日はよし、三日と経たぬに、飢もしよう、渇きもしよう、炎天に曝されよう。が、旅人があって、幸に通るとすると、それは直ちに....
百喩経」より 著者:岡本かの子
た。 「どうしよう」 みんなが口に出して言った。 当惑。迷いに迷ってみんなが渇き死にに死ぬのは眼に見えるようだった。 困るという感情が強く胸から身体の八方....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
いのだ。 ――僕はこれが好い。 小田島はグラスに酒をついで呑んだ。一杯では胸の渇きは納まらない。 黒パンにチーズを塗り乍ら、じっと彼が酒を※るのを眺めて居た....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ない。それがしが汲んで来るのを待っておいやれ。」 「いえ、その岸で汲みまする。」渇き切っている侍従は、あえぎながら采女のあとを追って行った。狭い路を横ぎって嶮し....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
重量が掛る、草臥はする、汗にはなる。荷かつぎに続いて息せいた時分から、もう咽喉の渇きに堪えない。……どこか茶店をと思うのに、本街道は、元来、上の石山を切って通る....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
ればかりでなく、あるいは口中に毒を含ませて遣る。殊に梅干の肉は拷問のあいだに喉の渇きを助け、呼吸を補い、非常に有効であると伝えられているので、往々それを口にして....
酒倉」より 著者:小川未明
らい勢いでこの町を占領しましたけれど、食物がありません。みんなは腹が空いてのどが渇きますものですから、大将はじめ兵士は、いずれも酒を飲み、水をがぶがぶ飲んだので....