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「渇する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渇するの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
羅瑟質《まずらしっしつ》と字《あざな》す。蜜勝の意だ。父母に乞うて出家す、この僧渇する時鉢を空中に擲《なげう》てば自然に蜜もて満ち、衆人共に飲み足ると。『大智度....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を受取ると、グッと一口飲みました。この一口の湯が、兵馬の五臓六腑までしみ渡って、渇する者に水とか湯とかいう本文通り、一口の湯が全身心に反応しました。 禅家で点....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
活上雨に関して利害を感ずる範囲に比してあまりに大なるが故なり。しかれども連日雨に渇する東海道の農民にとりては、この予報は非常の福音たるに相違なかるべし。 次に....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
てはどうです。そうすれば洋酒の客はみなこちらへ来るから、あの店の財源はたちまち涸渇する。それでは食料品の安売りも出来ないという順序でしょう』 どうだこの種あか....
魔都」より 著者:久生十蘭
び神田山の下を流れる水を市中に疎通せしめて僅かに需用を充たしたが、常に混濁且つ涸渇するので、天正十八年大久保藤五郎に命じて上水池を検せしめたところ、井の頭池の水....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
いう人を外らさない共通の如才なさがあるものだが、世事に馴れない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友となったツモリに独りで定めてしま....
世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
盛になる。ドリスが色々な思附きをして興を添えてくれる。ドリスが端倪すべからず、涸渇することのない生活の喜びを持っているのが、こんな時にも発揮せられる。この宴会に....
『小さな草と太陽』序」より 著者:小川未明
埃に塗れた、草や、木が、風雨を恋うるように、生活に疲れた人々は、清新な生命の泉に渇するのであります。詩の使命を知るものは、童話が、いかに、この人生に重大な位置に....