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済す
「済す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
済すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
隊形を整え日本艦隊及びそれに属する空軍とを撃破し、以て吾が艦隊の不利なる戦績を救
済すべし。尚余力あるに於ては、長駆カシマ灘よりトーキョー湾に進撃し、首都トーキョ....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
、朱に染って倒れているのを見ると、そのまま電話口へ引返した。 大月氏への返事を
済すと、キヨは直ぐに警察へ掛けた。掛け終ってそのまま動くことも出来ずに、顫えなが....
「食魔」より 著者:岡本かの子
かったこともあるが、まあ人に較べたらずいぶんした方だろう」「この辺で節季の勘定を
済すかな」笑いながらそういった。それから身の上の精算に取りかかった。店を人に譲り....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
ようであった。それは、雄吉にとっては忘れられない四月の十一日の晩であった。晩餐を
済すと、青木は「ちょっと散歩してくる」といって出ていったまま、なかなか帰って来な....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
、良沢はもうとっくに来たと見え、悠然と座り込んでいた。 玄白は、善三郎に挨拶を
済すと、良沢の方を振り向きながら、 「お早う! 昨日は、失礼いたし申した」と、挨....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
受くるには、紙片に借り受けたき器具名個数等を記し置けば、穴の外に出しあり。之を返
済する時も、穴の傍まで持ち行くを例とせしが、或る時借り受けし器物を破損し、其のま....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
的に尽力せられる当局者や、多くの志士仁人に向かって、満腔の敬意を表する。しかし救
済すべく、改善すべきものは彼ら以外にも多い。また彼らの中には救済改善の必要のない....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
らを事実上の自由民たらしむる上に、最も必要なことだと考えております。彼らを改善救
済するという事については、官庁に於いてもこれを以て一の事業と致し、或いは社会改良....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
心散乱の弊を見、法制の粗濫にして官吏放恣の害を察し、泰西流の政理をもってこれを匡
済することを目的としたるがごとし。およそ政論派の起こるは偶然に起こるものにあらず....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
、卒然と三右衛門は云った。「百両のお金がございましたらせめて当座の借金だけでも皆
済することが出来ますのになあ」 「なに?」と初めて紋太郎は用人の方へ顔を向けた。....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
そのものの滅亡の不安――私の生命は内よりも外よりも危機に迫っている。私は自己を救
済すべく今いかになすべきか。また何をなし得るのか。「生に事うるに絶対に忠節なれ」....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
か。私はキリスト教の宿罪の思想に非常に興味を感じます。私らの生まれながらの罪を救
済するための罪なきものの贖罪としての十字架が、真に愛のシンボルであるとも思います....
「運命」より 著者:幸田露伴
ば、民|翕然として之に従いけるに、賽児また饑者には食を与え、凍者には衣を給し、賑
済すること多かりしより、終に追随する者数万に及び、尊びて仏母と称し、其勢甚だ洪大....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
分頃木賊沢の合流点に在る小屋に着いた。 小屋の修繕や掛樋の手入れをして、晩飯を
済すと横になったが、寒いのと体が痛いのとで旨く寝付かれない。近くの木で何鳥か頻り....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
束して置いたのだ、交啄鳥の嘴だってこうは喰違わない筈だと思うと、どうしても笑って
済す気にはなれなかった。 兎も角も荷のある所まで行くことにして、其方へ足を向け....