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済ませる
「済ませる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
済ませるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、ここでかたき討ちをしてしました。しかし往来なかで人殺しをした以上、そのままに
済ませることは出来ませんから、ずうずうしく度胸を据えて、自分の方から辻番へ名乗っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しく、ひたいの鉢巻をしめ直しながら云った。 「おい、喜平さん。まったくそのままで
済ませるのは詰まらねえ。今夜わたしが一緒に行こう」 「おまえが行ってくれるか」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あった。調べの役人らが出張った以上、これが判らない筈はない。おそらく事件を内分に
済ませるために、浅井の屋敷から手をまわして、役人らをうまく抱き込んで、船底の破損....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のときが二度目であったように記憶している。今とちがって、その頃は年礼を葉書一枚で
済ませる人がまだ少なかったので、表には日の暮れるまで人通りが絶えなかった。獅子の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「鰻でも取りますか」 「それがよかろう」 鰻の蒲焼を註文して、二人は早い夕飯を
済ませると、七月の日もかたむいて来た。露路のなかはひとしきり騒がしくなって、とな....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
」 二人はこんな問答もあった。 僕は、帰京したら、ひょッとすると再び来ないで
済ませるかも知れないと思ったから、持って来た書籍のうち、最も入用があるのだけを取....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
五分と経たない後だった。 「赤外線写真は、どうでした?」彼は、司令官達に、敬礼を
済ませるが早いか、気になることを尋ねた。 「うまく出たようだ。ここにある」湯河原....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
入される。但し高等科は今日の高等小学とおなじようなものであったから、小学校だけで
済ませるものは格別、その以上の学校に転じるものは、中等科を終ると共に退学するのが....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ンカ、わたしの嗅煙草の箱はどこにあります」 こう言ってから、伯爵夫人はお化粧を
済ませるために、三人の侍女を連れて屏風のうしろへ行った。トムスキイは若い婦人とあ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はやはり不愉快であった。同室の男はまだ眠っているので、ちょうど彼と顔を合わさずに
済ませるにはいい機会であったと思って、すぐに着物を着かえて、甲板へ出ると、空は曇....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
にしても、西瓜が元の西瓜である以上、かれらはその持参者の申立てを信用して、無事に
済ませるよりほかはなかったのである。伊平は早々にここを立去った。 表へ出て若い....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
休み茶屋といっても、店をゆき抜けると奥には座敷の設けがあって、ひと通りの昼食を
済ませることも出来るようになっていた。久助は家来であり、かつは男であるから、遠慮....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
月の十六日に御帰城になりました。そのお留守中と申すので、どこのお祭りもみな質素に
済ませることになりまして、六月のお祭り月にも麹町の山王さまは延期、赤坂の氷川さま....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
うが、ほんの微傷を付けた位のことは別に仔細もない。妾達が呑込んでいて何事も内分に
済ませる。あんな者に一生添わせて置いては、娘が如何にも可哀想だから、お前もそこを....
「年賀郵便」より 著者:岡本綺堂
親戚知人で、府下でもよほど辺鄙な不便な所に住んでいない限りは、郵便で回礼の義理を
済ませるということはなかった。まして市内に住んでいる人々に対して、郵便で年頭の礼....