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済みません
「済みません〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
済みませんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
乗り合いはこはそもいかにと見る間に、渠は手早く、一頭の馬を解き放ちて、 「姉さん
済みませんが、ちょっと下りてください」 乗り合いは顔を見合わせて、この謎《なぞ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ければ跣足《はだし》になります分のこと、どうぞお構いなく、嬢様にご心配をかけては
済みません。)
(あれ、嬢様ですって、)とやや調子を高めて、艶麗《あでやか》に笑....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
姿と一緒にひらひらと動かすと、畳に陽炎が燃えるようなり。 「御無沙汰を致しまして
済みません。奥様もお変りがございませんで、結構でございます。先生は相変らず……飲....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
してね。何だ、誰じゃいッて喚くんです。」 「いや、それは恐縮々々。」 「まことに
済みません。発起人がこの様子で。」 「飛んでもない。こういう時は花道を歌で引込む....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ていたのである。 「ええ、」 とその男が圧えて、低い声で縋るように言った。 「
済みませんがね、もし、私持合せがございません。ええ、新しいお蝋燭は御遠慮を申上げ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
な呑込んだ優い微笑。 九 「失礼な、どうも奥様をお呼立て申しまして
済みません。でも、お差向いの処へ、他人が出ましてはかえってお妨げ、と存じまして、....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
手近です。あげましょう。青い苔だけれどもね、乾いているから安心です、さあ。」 「
済みません、小県さん、私知っていましたんですけど、つい、とっちてしまいましたの。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
したのに、頭巾は着ない。雪の傘の烈しく両手に揺るるとともに、唇で息を切って、 「
済みません、
済みませんでした、お約束の時間におくれッちまいまして。」 「まあ、よ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
って、心着くと、お君はげっそりとまた姿が痩せて、極りの悪そうに小さくなって、 「
済みませんこと。」 「いやいや、驚いたって、何に、その驚いたんじゃない。はははは....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いと、しおらしいで評判の誉物だった母親が、毫もこれを真とはしない。ただそうですか
済みませんとばかり、人前では当らず障らずに挨拶をして、滝や、滝やと不断の通り優し....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
人質に取られた形――可哀や、お主の身がわりに、恋の重荷でへし折れよう。 「真個に
済みませんでした。」 またぞろ先を越して、 「私、どうしたら可いでしょう。」 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ぬしとある処に、御名を記させたまえとこそ。 明治三十五年壬寅鏡花 「どうも相
済みません、昨日もおいで下さいましたそうで毎度恐入ります。」 と慇懃にいいなが....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
その足で台所へ、 「誰? おや、床屋さん、」 「へへへへへ、どうも晩くなりまして
済みません、親方がそう申しました、ええ、何だもんですから、つい、客がございました....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
とくお杉が抱き上げた時、お若はまだ呼吸があったが、血の滴る剃刀を握ったまま、 「
済みませんね、
済みませんね。」と二声いったばかり、これはただ皮を切った位であった....
「活人形」より 著者:泉鏡花
人はまた、「あれ堪忍して下さいましよ。貴女は仮にも母様、恨みがましいことを申して
済みませんでした。でももう神様も、仏様も、妾を助けて下さらないから、母様どうぞ助....