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済む
「済む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
済むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
別居する必要があった。
葉子の立場はだんだんと固まって来た。十二月の末に試験が
済むと、妹たちは田島の塾《じゅく》から少しばかりの荷物を持って帰って来た。ことに....
「親子」より 著者:有島武郎
農場に出向いて来て、すっかり精算をしようというわけになっているのだ。明日の授受が
済むまでは、縦令永年見慣れて来た早田でも、事業のうえ、競争者の手先と思わなければ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
すり寄って、食指で私の膝を念入に押しながら、 宜いか、今日で此の船の※落しも全然
済む。 斯う云って彼は私の耳へ口を寄せた。 全然
済むんでグリゴリー・ペトニコフ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、二進が一進、二一天作の五、五一三六七八九。」と、饂飩の帳の伸縮みは、加減だけで
済むものを、醤油に水を割算段。 と釜の湯気の白けた処へ、星の凍てそうな按摩の笛....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
れたように呆然として、現在の三崎町…あの辺町の様子を、まるで忘れていたのでは、相
済むまい。 ――場所によると、震災後の、まだ焼原同然で、この貸本屋の裏の溝が流....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
しかし、土地にも因るだろうが、奥州の原か、飛騨の山で見た日には、気絶をしないじゃ
済むまいけれど、伊勢というだけに、何しろ、電信柱に附着けた、ペンキ塗の広告まで、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
自分の形に見えるにつけても、寝ていて、蚊帳を覗うこの姿が透いたら、気絶しないでは
済むまいと、思わずよろよろと退って、引くるまる裳危く、はらりと捌いて廊下へ出た。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
われましたとおり、果たして新しい注連縄が一筋張ってありました。 一と通り見物が
済むと、私達は再び岩屋の内部へ戻って来ました。すると神様は私に向い、早速修行のこ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
かし今でもこの町に行く人があれば春でも夏でも秋でも冬でもちょうど日がくれて仕事が
済む時、灯がついて夕炊のけむりが家々から立ち上る時、すべてのものが楽しく休むその....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
は僕には引越し位の外に何もわざわざ披露するような事件が無いからだ。 A 葉書でも
済むよ。 B しかし今度のは葉書では済まん。 A どうしたんだ。何日かの話の下宿....
「初雪」より 著者:秋田滋
などと云って笑っていた。良人はそれがあれば妻にこののち寒い思いは死ぬまでさせずに
済むと思っていたのである。 十二月ももう末になってからのことである。こんなこと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
か知れないのではあるが、それでもファラデーは喜んで実験に従事し、夕方になって用が
済むと、横笛を吹いたりして楽しんでおった。 ファラデーは暇さえあれば、智識を豊....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
代金を払って、自分の手もとに引き取った。なかなか利発な子だったので学校にあげた。
済むとまた上の学校に通わせた。この老婦人には子供がなかったので、持っていた財産は....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
ていられなくなって、フレンチの方で目をそらした。 短い沈黙を経過する。儀式は皆
済む。もう刑の執行より外は残っていない。 死である。 この刹那には、この場に....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ん。しかるに、多数を頼んで、懲罰委員会においてはその審議を引延ばし、取消せば事は
済むというがごとき印象を与えておるのであります。 政治家にとって最も必要なこと....