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「渉る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渉るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
り、饒舌ったり……と云うと尾籠になる。紳士貴婦人が互に相親睦する集会で、談政治に渉ることは少ないが、宗教、文学、美術、演劇、音楽の品定めがそこで成立つ。現代にお....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
へ灌ぐ川尻が三筋あって、渡船がない。橋はもとよりで、土地のものは瀬に馴れて、勘で渉るから埒が明く。勿論、深くはない、が底に夥多しく藻が茂って、これに足を搦まれて....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
思いて立ち帰り人に語る。驚破とて、さそいつれ行きて見るに、女同じ処にあり。容易く渉るべきにあらざれば、ただ指して打騒ぐ。かかる事二日三日になりぬ。余り訝しければ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
交換した。これらの会見始末は精しく三山に通信して来たそうだが、また国際上の機微に渉るが故に世間に発表出来ないと三山はいっていた。この三山も今では易簀してしまった....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
暗い影を映している、水の中には浮草の葉が漂うている。日は山蔭にかくれて、池の面を渉る風は冷い。半ば水に浸されている足の爪先は、針を刺すように、寒さが全身に伝わる....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
おのが身を世に知れず隠さんために、みずからの聡明の光を和らげ、「予として冬、川を渉るがごとく、猶として四隣をおそるるがごとく、儼としてそれ客のごとく、渙として冰....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
う点に一致しているよ。」ともったいらしく頷いた。そして、さっそく部下に構内一帯に渉る調査を命じたが、程なく堂外の一隊を率いた警部が、ひどく亢奮して戻ってきた。 ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
典のがっしり調子と行きあって、方向を転じて了うたが、『氷魚』の末から『太※集』へ渉る歌口なのだ。そのかみ「切火評論」を書いた私などは、此方角を赤彦の為に示すだけ....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
来文体はどうして現れて来るか。これも空想としてやり過したくない。必、過去半世紀に渉る日本詩人たちの努力が、無意識ながらそうした方向に向いていただろう。それで、そ....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
の関聯、来迎図と御迎講又は来迎講と称すべきものとの脈絡を説いて、中世の貴族庶民に渉る宗教情熱の豊けさが書かれている。唯一点、私が之に加えるなら、大串さんのひきお....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
て猥に野心を同じうし、或は詔使に対捍して朝威を忘るるが如し。結構の至り既に逆節に渉る者か。しかのみならず奥州・出羽の両国を掠籠し、公田・庄田の乃貢を輸せず、恒例....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ました。この沿革も詳しく申さば余程込み入ったものですが、今は問題のあまりに枝葉に渉るを避けて略します。 このほかにも、犬神人だの、山番・野番の番太だのと、種々....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ら尊いと思います。フランシスのものなどこそローマンスを求める心や、ドキュメントを渉る心などで読まれるべきものではなく、己れの日々の生活に愛と忍びとの味を沁み出さ....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
するのである。 七十 その上に強い電火が天の全面をば、間断なくかつ縦横無尽に光り渉る、これに接する者は直ちに電殺され電壊さるるはずであるが、もう殺される生物が残....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
駆けて来た。 所で兄弟の急ぐ足をエレウシスの 沼が遮り留めた。兄弟はぼちゃぼちゃ渉る。 己はあれを載せてごぼごぼ這入って泳ぎ越した。 あれは飛び降りて、濡れた鬣....