渉猟[語句情報] » 渉猟

「渉猟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渉猟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
二つの疑問に対して、何等の手がかりをも得ずに、空しく東西の古文書《こもんじょ》を渉猟《しょうりょう》していた。が、「さまよえる猶太人」を取扱った文献の数は、非常....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。アナトール・ル・ブラの「ブリトン伝説学」やガウルドの「オールド・ニック」までも渉猟して、性別転換の深奥に潜んでいて犯罪動機に符合するもの)が、壮大な哲学的な姿....
蒲団」より 著者:田山花袋
了った。家を引越歩いても面白くない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点滴、花の開落などいう自然の状態さ....
鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
らしい。この事について幸田露伴博士の教えを請うたが、同博士がいろいろシナの書物を渉猟された結果によると釁るという文字は犠牲の血をもって祭典を挙行するという意味に....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
めにいろいろな問題が起こることがある。 ある哲学者が多年の間にたくさんの文献を渉猟して収集し蓄積した素材の団塊から自身の独創的体系を構成する場合があるであろう....
家庭の人へ」より 著者:寺田寅彦
あらゆる研究に興味を引かれてその方面の文献を、別に捜す気になるまでもなく、自然に渉猟するようになった。しかしどれほど色々の学者の研究の結果を調べてみても、私自身....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いだしました。「しかしどうかまげてお話しください。あなたはむろん、古書はふかくご渉猟でしょうな。」 「はい、はい、それはな。」と、参事官は受けて、「わたしも有益....
戯作者」より 著者:国枝史郎
や物語の古書籍が豊富に貯えられていたからである。馬琴は用事の隙々にそれらの書物を渉猟し、飽無き智慧慾を満足させた。 戯作者としては彼の体が余りに偉大であったの....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
無知なる田夫野人の口からさえ故事来歴を講釈せしむる事が珍らしくないが、自ら群書を渉猟する事が出来なくなってからも相変らず和漢の故事を列べ立てるのは得意の羅大経や....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
。チェーホフはたちまち「サガレン・マニヤ」にとり憑かれ、この流刑地に関する文献の渉猟に没頭した。出発前の彼の手紙からこの遠征の意図についての彼自身の証言を集める....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
、その時期の作品にも手紙にもはっきりと痕を残している。彼が自国の古典を貪るように渉猟したのも、そしてゴーゴリに心酔したのもこの時代のことである。荒浪のような内的....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
た石塚宗匠からの間接の教えも、大いに悟入に資したことと思う。また茶に関する書物の渉猟も、禅学のそれと並んで、年とともに進んだに違いない。そういう方面の多くの書き....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
れようともまたなろうとも思わなかった。が、小説雑著は児供の時から好きでかなり広く渉猟していた。その頃は普通の貸本屋本は大抵読尽して聖堂図書館の八文字屋本を専ら漁....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。かつ露語科に入った当初の志望こそ外交官であったが、語学の研究のため露西亜文学を渉猟し初してから何時の間にか露国思想の感化を受けると同時に、それまで潜在していた....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
究してかからねばならぬ状態であったから、その煩労は一方でなかったのみならず、その渉猟しえた史料の範囲も極めて狭く、しかもこれまで実地に見たこともない法隆寺の問題....