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「渋々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渋々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
》かせて見せた。 「じゃ頂戴して置きます。」 俊助はとうとう我《が》を折って、渋々その切符を受取りながら、素《そ》っ気《け》ない声で礼を云った。 「どうぞ。当....
」より 著者:芥川竜之介
なってしまいました。そこで恵印は約束の手前、今更ほかに致し方もございませんから、渋々叔母の尼の伴《とも》をして、猿沢《さるさわ》の池が一目に見えるあの興福寺《こ....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
できると思うか」 彼は治六を叱り付けて、五百両を持って供をしろと言った。治六は渋々ながら付いて行くことになった。二人とも髪月代《かみさかやき》をして、衣服を着....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「さあ、今のところじゃあしようがねえ。まあ打っちゃって置け」 「あい」と、亀吉は渋々に別れて行った。 あまり長追いをするほどの事件でもないと思ったが、かれの性....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、所詮かれは攘夷家の請求する三百両の半額を謹んで差し出すのほかはなかった。侍共は渋々納得して帰った。帰るときに、形代であるから此の首を置いてゆくと云ったが、番頭....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
。 「先生がいらッしゃるじゃないか? ちゃんとお坐り」こう菊子が言ったので、子は渋々坐り直した。 「けいちゃん、お前、役者になるかい?」 「あたい、役者なんか厭....
赤外線男」より 著者:海野十三
」 というような返辞と、カタリと靴の鳴る音が、扉の彼方でした。 学士はそこで渋々とポケットから鍵を出すと戸口の鍵孔に入れ、ガチャリと廻して扉を開いた。そこに....
食魔」より 著者:岡本かの子
て、人面疽が出来たと巫山戯てやろう」鼈四郎が辞んでも彼は訊入れなかった。鼈四郎は渋々筆を執った。繃帯を除くとレントゲンの光線|焦けと塗り薬とで鰐皮色になっている....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、大いに勢力を有しているので、彼も強いて争うわけにも行かなくなったと見えて、結局渋々ながらその猴を呉に譲ることになった。呉は謝礼として白金十両を贈った。 貴公....
流線間諜」より 著者:海野十三
「どうせ圧すなら、早くすればいいのに……」 全く主客は逆になった。――首領は渋々指をさしのべて、釦をギュッと圧した。その途端にジージーガチャリガチャリと機械....
黒百合」より 著者:泉鏡花
千破矢家の当主、すなわち若君|滝太郎である。 「お宅でございます、」と島野紳士は渋々ながら恭しい。 「学校は休かしら。」 「いえ、土曜日なんで、」 「そうか、」....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
帰らないのかなあ。 阿香 高田さんはどうしたんだろうねえ。 (李は妻に促されて、渋々ながら立ち上り、打ち連れて表へ出る。月の光いよいよ明るく、虫の声。) 柳 お....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
たがった。采女はともあれ、彼は眼の前にある主人の命令にそむくことは出来ないので、渋々ながら鞭をとり直した。 「お先きへ御免。」 彼は自暴になったように、罪もな....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
夜中に叩き起されることを思うと、医者になるのを止めッちゃいたくなるよ」 友人は渋々起きたが、よく眠っていたところを起されたので、頗る不機嫌だった。 「後で委し....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
女だ、厚かましい奴だと最初は玄関払いで面会を拒絶した私が、いつの間にか根負けして渋々ながらでも会ったり、話したりするようになってしまいました。そして大抵の女なら....