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渋味
「渋味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渋味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
欠いている。かつまた或る徴表と結合する場合には「いき」と或る意味で対立している「
渋味」となることもできる。要するに「いき」は欧洲語としては単に類似の語を有するの....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
いがあるとでも言ったらよいか。藪から乗り出した冬青の木には赤い実が沢山なってる。
渋味のある朱色でいや味のない古雅な色がなつかしい。省作は玉から連想して、おとよさ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
には垢は禁物である。それは手術室の如く、埃と黴菌を絶滅し、エナメルを塗り立てて、
渋味、雅味、垢、古色、仙骨をアルコホルで洗い清め、常に鋭く光沢を保たしめねばなら....
「曼珠沙華」より 著者:斎藤茂吉
。一体この花は、青い葉が無くて、茎のうえにずぼりと紅い特有の花を付けているので、
渋味とか寂びとか幽玄とかいう、一部の日本人の好尚からいうと合わないところがある。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
欲しなかった。朝茶の炉手前は何かしら苦業を修する発端で、その日も終日不可解の茶の
渋味を呪法に則るごとき泡立てに和らげて、静座しつつ、楽の茶碗を取りあげて、ひとり....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
一個の典型を描くことに成功しているのです。これが彼の芸質に近代的ノンシャランスの
渋味と「にくらしい」までの気品とを添えることになるのです。 こんなことを書いて....
「山茶花」より 著者:佐左木俊郎
がっていんのだげっとも、やはり、爺つあまさの遠慮で……」と操三郎は、横から、少し
渋味のある声で饒舌りたてた。 長作等には、実際、稲扱き機械は強い誘惑を持たずに....
「香気の尊さ」より 著者:佐藤垢石
好まれるのは清淡の味もさることながら元来特有な高い香気にあるのであるから、香気と
渋味を尊ぶ腸を棄てては鮎を理解しないも甚だしい。また頭と骨にも特別な香気がある。....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
、そろそろ卵巣のふくれてきた大鮎は、また棄てがたいのである。腹に片子を持つと腸の
渋味に、濃淡の趣を添えて、味聖の絶讃を買う。しかも、錆鮎の頃と異なって、脂肪も去....
「釣った魚の味」より 著者:佐藤垢石
料にすると大そうよろしい。また、ふらいにするとよく油になじむ。公魚は、焼くと肉に
渋味が出て結構でないように思う。 駿河や伊豆地方では、この寒さの中でも山女魚が....
「榛名湖の公魚釣り」より 著者:佐藤垢石
釣りである。 本場といわれる霞ヶ浦から東京市中へ出てくるものは、形の小さい上に
渋味が強く、色が黒ずんでいて、上等の食味を持っているとはいえない。 ところが榛....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
であることを論じては「それは手術室の如く埃と黴菌を絶滅し、エナメルを塗り立てて、
渋味、雅味、垢、古色、仙骨をアルコオルで洗い清め、常に鋭く光沢を保たしめねばなら....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
中でパリパリ炸裂せず、型の如き音の響きを発せず、シコシコ、ニチャニチャして、少し
渋味のあるようなものがあるが、それは卵が胎中において成熟していないのである。言わ....
「猪の味」より 著者:北大路魯山人
は三州味噌がよい。脂っこいものであるから、味噌を入れると口あたりがよいのである。
渋味が少しあるから酒を入れる。「猪大根」ということが昔から言われているが、その通....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
を混同し「歌沢」「新内」の生粋を解せずして、薩摩琵琶、浪花節の露骨を喜び、旧劇の
渋味をあざけりて壮俳の浅薄を賞す。』といろ/\そういったうえ『かくの如きはたゞ見....