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渋染
「渋染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渋染の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死人の手」より 著者:田中貢太郎
時師匠について棒術を稽古しておりましたので、夏の夜など私に教えてくれると云って、
渋染にした麻の帷子の両肌を脱いで、型を見せてくれました。ちっぽけな私は、老人の云....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
の小屋掛けからは、稽古囃しが聞こえて来た。 横へ外れると半太夫茶屋で、ヒラリと
渋染めの暖簾を潜った。 「おやお色さん、早々と」女将が驚いて顔を長くした。眉を落....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
直なる荒焼をぞもとめける。其外何にても新きを本意とせり。我身はあらき布かたびらを
渋染にかへしたるをば着、ほそ繩を帯にして、云々」 これが庵の有様であり又亭主の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
俗になったのもついこの間のこと。やがて髪を蓄えるつもりの道心頭を、頭巾で巻いて、
渋染の袖無。あれからすぐ夫婦して大坂を立ち、道中の路銀とてないので飴売りの胴乱を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
で、彼は一個の職人に姿を変えた。あたまは、あれからも伸び放題な蓬髪だった。それを
渋染の布で粽頭巾にしてつつむ。 いたって、のん気な旅にみえた。鳶七が連れた職人....