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「渋滞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渋滞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
まだ渋く聞《きこ》ゆなり、すだちの小野の春の曙《あけぼの》」というときの渋味は、渋滞の意で第一段たる「正」の段階を示している。それに対して、甘味は第二段たる「反....
富士」より 著者:岡本かの子
姉女房も、良人を立てるところには立派に立てた。岳神の家としての事務の経営は少しの渋滞もなく夫妻共に呼吸は合っている。それでいて何となく夫妻の間に味がない、お人良....
世相」より 著者:織田作之助
、世相そのものがけちくさく、それがまた私の好みでもあろう。 ペンを取ると、何の渋滞もなく瞬く間に五枚進み、他愛もなく調子に乗っていたが、それがふと悲しかった。....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
人たちを岸に残して、僕たちの新時代の船は、一足おさきにするすると進んで行く。何の渋滞も無いのだ。それはまるで植物の蔓が延びるみたいに、意識を超越した天然の向日性....
自画像」より 著者:寺田寅彦
理的の証明はわりに要求されないで、オーソリティの証言が代用されそのおかげで物事が渋滞なく進捗するのであろう。 自画像をかきながら思うようにかけない苦しまぎれに....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
め給ふ也」(檜嬬手)というのが真に近いであろう。 一首は、豊腴にして荘潔、些の渋滞なくその歌調を完うして、日本古語の優秀な特色が隈なくこの一首に出ているとおも....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
もきらず差しつけるグラスを一つあまさずニコヤカにひきうける。乾杯。ハイ、よろし。渋滞したことがない。それでいて、いさゝかも酔わない。 悠々山の如く、川の如く、....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
りだけになると、ひきつづいて酒肴がはこばれる。セキを切って落したようにキリもなく渋滞もない。女たちの出入に一段落がついたときには、長平は多くの芸者にかこまれて、....
発明小僧」より 著者:海野十三
さく折り畳みて鼻糞大にしてしまうものあり、そのために切符を改める手前大いに事務|渋滞を来たすものであり。 いくら注意を与えても、乗客は云うことをきかないので、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
、まだしみついていたのである。彼は、白鳥会の仲間、とりわけ大沢や新賀の、物ごとに渋滞しない、率直な態度を見るにつけ、それがはっきり自覚されて来た。「無計画の計画....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
。そうではないか。」 これらの事は、みんないつも順序がきちんと定まっていて何の渋滞もなかった。老医師の口から、ちょうど滑らかな物の上を水の玉が徐々に辷べり落ち....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
できない自分の傲慢とたたかっているばかりです。 私はこの頃は、心の歩みのなかに渋滞と障害とを感じて苦しんでいます。進みにくくて困っています。内に熟するものの力....
昔尊く」より 著者:上村松園
ますし、筆も大体の手順が決っていますと、すぱすぱすぱすぱと大胆に走りまして少しも渋滞したりちびたりするところなく、その上きわめて速やかに仕事も綺麗に仕上がると申....
五重塔」より 著者:幸田露伴
が家へ老衲を連れて行てはくれぬか、とすこしも辺幅を飾らぬ人の、義理明らかに言葉|渋滞なく云いたまえば、十兵衛満面に笑みを含みつつ米|舂くごとくむやみに頭を下げて....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
みな奉仕的精神で集まったのであるから威張ることをしない。 市役所の事務は少しも渋滞しない。すべてのことが完全に運んでゆく。 これには、ストライキをした市の吏....