渡り板[語句情報] » 渡り板

「渡り板〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渡り板の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あの顔」より 著者:林不忘
へ走っていた。それが、ゆるい勾配《こうばい》をもって、また一つ先の小山のほうへ、渡り板をさしかけたように、坂になっているのだった。ところどころに、朽木《くちき》....
源氏物語」より 著者:紫式部
れがわかったの、私がのぞいて見ましょう』と言って前の家のほうへ行くのですね、細い渡り板が通路なんですから、急いで行く人は着物の裾《すそ》を引っかけて倒れたりして....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
どぼーんと、真っ白なしぶきが立つ。錨が抛りこまれたのである。繋綱が投げられる――渡り板が架けられる。 「かしわ屋でございますが」 「住吉の社家の息子さまは、この....
私本太平記」より 著者:吉川英治
顔に、松の花の粉が舞った。刻々、浜は明るさを増している。 船頭の声にせかれて、渡り板にはもう男女の人影が立ち並んでいた。草心尼も覚一の背を抱えるように群れへ交....
私本太平記」より 著者:吉川英治
など訊いておられるらしいその仲を割って、 「時刻です。……さ、ご乗船を」 と、渡り板へ追い立てた。 子雀の小笊を持った宮の姿は、待ちもうけていた武士に迎え取....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
落ちていた。権十は、醤油くさい自分の伝馬船の中へかくれ込むと、すぐ陸へ架けてある渡り板を引き、苫の中でほっと人心地を呼びもどした。 「お松。……お松。……もう寝....