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渣
「渣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渣の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
い時から、あらゆる人生の惨苦《さんく》と戦って来た一人の女性が、労働力の最後の残
渣《ざんさい》まで売り尽して、愈々《いよいよ》最後に売るべからざる貞操まで売って....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
一冊を後生大事にふところにいだいての闇の津軽海峡を渡った五年前の興奮が、今は苦い
渣滓となって心の隅にこびりついているのを感ぜずにはいられなかった。 「おめえたち....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
で行った。明るさが次第に、野に丘に海に加わって行く。何か起るに違いない。生活の残
渣《ざんさ》や夾雑物《きょうざつぶつ》を掃出して呉れる何かが起るに違いないという....
「伸子」より 著者:宮本百合子
うば》の音が、伸子の寝ている枕に響いて来た。 伸子は、だんだん自分の心に切ない
渣滓《おり》が溜って来るのを感じた。彼女は毎日絶え間なく飢えていた。それらは、誇....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
上の進歩、より多くの知識、より多くの愛、その外には何物もない。かくて地上生活の残
渣はきれいに洗い浄められ、魂は絶対無限の至高境に向って、ただ上へ上へと進んで行く....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
と走り※って、新しい方向に流れ出してゆく葡萄酒の小さな流れを遮り止める者もいた。
渣滓の滲み込んでいるじくじくした樽の破片にかじりついて、酒で朽ちたじめじめした木....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
ませた。ところが、牛乳を鑵からあけてしまうと、彼女は、ふと鑵の底に、緑色をした残
渣のあるに気附いた。彼女はびっくりして、もしや、それがパリス・グリーン Pari....