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温
「温〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
よって、
「さても御主《おぬし》は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ。そう
温和《おとな》しくして居《お》れば、諸天童子も御主にめでて、ほどなくそこな父親《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
美しい――。」
オルガンティノは反省した。
「この国の風景は美しい。気候もまず
温和である。土人は、――あの黄面《こうめん》の小人《こびと》よりも、まだしも黒ん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の夏のことです。僕は人並みにリュック・サックを背負い、あの上高地《かみこうち》の
温泉|宿《やど》から穂高山《ほたかやま》へ登ろうとしました。穂高山へ登るのには御....
「彼」より 著者:芥川竜之介
熱がまだかすかに残っていた。
「うん、ちょっと気味が悪いね。夜になってもやっぱり
温《あたたか》いかしら。」
「何、すぐに冷《つめ》たくなってしまう。」
僕はな....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
……わたしはこの
温泉|宿《やど》にもう一月《ひとつき》ばかり滞在《たいざい》しています。が、肝腎....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
うばぎゅう》なのが当然である。しかし、それにも関らず、彼の心からは、今までの春の
温《ぬく》もりが、幾分か減却したような感じがあった。
事実を云えば、その時の彼....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
廚《くりや》の下を静かに光りながら流れるのも、その重々しい水の色に言うべからざる
温情を蔵していた。たとえ、両国橋、新大橋、永代橋《えいたいばし》と、河口に近づく....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
を注いだ。
「今はとても動かせないです。まず差当《さしあた》りは出来る限り、腹を
温める一方ですな。それでも痛みが強いようなら、戸沢さんにお願いして、注射でもして....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
、火の気《け》の映《うつ》ったストオヴの口へ一杯の石炭を浚《さら》いこんだ。
「
温度の異なる二つの物体を互に接触《せっしょく》せしめるとだね、熱は高
温度の物体か....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
びとの記憶にも残っているであろう。
わたしの夢みている地上楽園はそう云う天然の
温室ではない。同時に又そう云う学校を兼ねた食糧や衣服の配給所でもない。唯此処に住....
「墓」より 著者:秋田滋
ります。そこで、わたくしは考えたのであります。彼女の肉体、あのみずみずしていた、
温ッたかな、あんなに柔かく、あんなに白くあんなに美しかった肉体が、地下に埋められ....
「初雪」より 著者:秋田滋
に冷たい屋敷の空気がいよいよ辛くなって来た。人間は齢を重ねるにつれてその肉体から
温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、幾世紀かの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。一度は、ファラデーがガラス管の内に塩化窒素を少し入れたのを指で持っていたとき、
温いセメントをその傍に持って来たら、急に眩暈を感じた。ハッと意識がついて見ると、....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
から出して、手で握ってみた。小鳥の心臓の皷動が、はっきりと手に感じられた。小鳥は
温かだった。私は部屋に戻った。小鳥を握る手に少し力を入れてみた。心臓の皷動は前よ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
であった。と云うわけはこうである。 生活に追い立てられて旅に出た次兵衛が、纔に
温まった懐をおさえて、九州の青年の多くが、その青雲を志し成功を夢みて、奔流する水....