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温和
「温和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
温和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
よって、
「さても御主《おぬし》は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ。そう
温和《おとな》しくして居《お》れば、諸天童子も御主にめでて、ほどなくそこな父親《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
美しい――。」
オルガンティノは反省した。
「この国の風景は美しい。気候もまず
温和である。土人は、――あの黄面《こうめん》の小人《こびと》よりも、まだしも黒ん....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
て居りましょう。私もこうして一年御厄介になって居てみれば、お民さんはほんと優しい
温和《おとな》しい人です。お母さんに少し許り叱られたって、それを悔しがって泣いた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある人々の間には一般に地は球状をなすものと考えられていた。 (注二) この神は「
温和な自然」である。Hanc deus et melior litem natu....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ういう境遇のところへ、隣のことであるから、自然省作の家と往復して、省作の人柄が、
温和なうちにちゃんとしたところがあり、学問とて清六などの比ではない、そのほかおと....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
おるが、新思想の本家本元たる文人自身は余り衝突しておらぬ。いつでも旧思想の圧迫に
温和しく抑えられて服従しておる。文人は文人同志で新思想の蒟蒻屋問答や点頭き合いを....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
かった。そのうちに何だか机ぐらいの大きさのものがとんで来て、彼を張り倒した。彼は
温和しくなった。 やがて彼は気がついた。 身体の方々に、はげしい痛みを感じた....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
ょう。余がすなわち噂に高き二俵伯爵であり、こっちの黙りこんで昼間の梟のように至極
温和しいのが、六升男爵でいらせられる」 白木が、とんでもないことをいいだした。....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
っていないのみならず、却ってそこに現われているこころよい安息と博愛とが、皇帝には
温和な主婦のごとく、慈愛ふかい姉のごとく母のごとくにさえ感じられた。しかもその眼....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
思って居るがよい……。』 平生はちょいちょい私のところへもお詣りに来る、至って
温和な、そして顔立もあまり悪くはない女なのでございますのに、嫉妬の為めには斯んな....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
いようだが、われ等の求むる人物は、敏腕で、熱心で、真理慾が強くて、寡慾で、そして
温和しい魂の所有者であらねばならぬのである。人選に骨が折れる筈ではないか。事によ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
りたる鼻下に白き毛の少し交りたる髭をきれいに揃えて短く摘む。おもての色やや沈み、
温和にして、しかも威容あり。旅館の貸下駄にて、雨に懸念せず、ステッキを静につき、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
業|一天張の方針と相容れるはずはなかった。算盤玉から弾き出したら矢野のいう通りに
温和しくなってる方が得策であったかも知れないが、矢野が世話を焼けば焼くほど、世話....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
条にほかならず。しかして、わが国は天然にこの策を立つるに適するなり。第一に、気候
温和にして、夏は暑を避け冬は寒をしのぐに便なること、第二に、土地、風景に富み、山....
「西航日録」より 著者:井上円了
光あるを認む。星の光のごときはすべて仏国と英国の舟である。) その地たるや気候
温和、風光明媚と称すべき名所なるも、これをわが熱海に比するに、天然の風致にいたり....