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「温暖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

温暖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
突にも及んでいる、日本アルプス南方に、雪の少ないのは、太平洋方面が冬季に、比較的温暖であるばかりでなく、日本海からの凜烈《りんれつ》なる北風は、多量の雪を北アル....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
我が大火山の赤壁と、両々対立していたが、やがてこの灰色の浮動する壁は、海洋からの温暖なる軟風に吹かれて、斜に推し倒され蝕《むしく》ったように穴を生じて、その穴の....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
はやがてこの小楼を出、元来た谷間の道を町の方へ帰って行った。一雨ごとに山の上でも温暖《あたたか》く成って来た時で、いくらか湿った土には日があたっていた。 「桜井....
第五氷河期」より 著者:海野十三
ませんか。むかし、関東地方に大地震がありました年も、十一月ごろまで、初夏のような温暖な気候がつづいたことを憶えております」 と、突っ込んだ。すると博士は、 「....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が生成されたであろうということは余り無稽な想像ではあるまい。このようにして、再び温暖な気候が復帰したときに、氷河期の退いた後に開放された生息所の上で、これら新種....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
時分に絶頂近くまで登り、噴火口に達したのは一時過ぎでもあッただろうか。熊本地方は温暖であるがうえに、風のないよく晴れた日だから、冬ながら六千尺の高山もさまでは寒....
」より 著者:島崎藤村
を押付けて、萎びた乳房を温めながら、一時死んだように成っていた。 窓の外では、温暖い雨の降る音がして来た。その音は遠い往時へお種の心を連れて行った。お種がまだ....
」より 著者:島崎藤村
る。半ば病人のような眼付をして、彼は柳並木の下を往ったり来たりした。白壁にあたる温暖い日は彼の眼に映った。その焦々と萌え立つような光の中には、折角彼の始めた長い....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
などで、その余に人々のゆくとしてゆくのは王子の滝の川最も近く、品川の海晏寺なるは温暖の南を受けて至極よさそうだが、存外に色づきが遅い。 しかし紅葉は如何なこと....
鹿狩り」より 著者:国木田独歩
、叔父さんはそこにごろりと横になった。この時はちょうど午後一時ごろで冬ながら南方温暖の地方ゆえ、小春日和の日中のようで、うらうらと照る日影は人の心も筋も融けそう....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
三高の演説は終ったのである。 次にトラックが止ったところはお花見の名所だ。晴天温暖の気侯にめぐまれて、お花見は出盛り。そのド真ン中で三高の演説がはじまったから....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
そうで、あれだけ広大な国土を持ちながら、広大な寒冷地帯をほッたらかして、やたらと温暖地へ侵略南下作業を行っているばかりである。原子バクダンの研究製造などに何百億....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
逃げてしまったのだ。こうして、土地の人でも長く堪えられる者のほとんどない、まして温暖で日当りのよい気候に生まれた私にはとても助かりそうもない寒気のなかを、大海の....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
、徳利と洋盃とを持って来た。 「お燗が熱過ぎているかも知れないが、一杯お飲みよ。温暖になるから……。」 「こりゃア何だ。」 「お酒だよ。飲んで御覧。妾のお酌です....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
天気清朗、極めて爽快を覚ゆ。わが十一月ごろの快晴に同じ。しかして気候はわれよりも温暖なり。午前、植物園を通観す。園内広闊にして、地形高低あり。かつ海湾に浜し、内....